夫妻の栽培品種は「土垂」と「石川早生」。どちらも一般的な品種だが、餅田の土壌が水分を多く含んでいるため、他の場所で作るよりも粘り気が強く、やわらかいサトイモになる。
春先の畑作りに始まり、5月初旬に芋のまま直植えする。土寄せと追肥を6月と7月の中旬に2回ほど行い、状況を見て芽かきを3回ほどする。連作を避けて毎年植える場所を変えているため、病害虫の心配はほとんどないという。
収穫作業は9月から行い、市内の産直施設に並ぶほか、市場を通じて出荷する。久晴さんは「収穫と出荷作業に一番手間がかかる」と話す。手で掘って収穫し、根を切って洗い、親芋と子芋と孫芋をはずす。そこから手作業で1つ1つ皮をむき、パック状態にしている。
おすすめの食べ方は煮っころがしや田楽のほか、きりたんぽ鍋に入れる人もいるという。「でも、一番のおいしい食べ方はみんなで、秋に鍋を囲んで芋煮会で食べるのが最高だね」と笑顔で話す。