2019年11月3週号
ニホンミツバチで蜂蜜製造 - 茂木孝行さん
【羽後町】蜂蜜の大半は外来種だった「セイヨウミツバチ」によるものだといわれる中、羽後町田代で在来種の「二ホンミツバチ」を飼育する茂木孝行さん(36)。地元道の駅や、同じ集落内の農家レストランに販売・提供し、人気を得ている。
元々二ホンミツバチの飼育に興味があった孝行さんは、二ホンミツバチの権威でもある、 故・久志冨士男氏の本を読み、5ねんほど前から独学で飼育を開始。巣箱を自作し、付近にいる野生の二ホンミツバチを呼び込んだ。順調に分蜂も進み、現在は4群飼いをする。
管理する地域は中山間部で、花が多く咲いている。セイヨウミツバチが特定の花の蜜を集めるのに対し、二ホンミツバチは複数の花の蜜を採取するため、ブレンドされた状態になる。これにより花粉を多く含み、濃厚で熟成されたような味でやわらかい酸味も感じられる。孝行さんは「蜂蜜の商品名は、多くの花の蜜が入っているという意味を込めて『百花蜜』にしている」と話す。
二ホンミツバチは、巣箱の中の悪化や気に入らなくなると、逃亡癖があるという。「気に入るように管理し、上手く分蜂させ、翌年に向けて冬を越させている」と気を配る。一方で「飼い主が分かるようで、刺さないし手に寄ってくる。その時は愛着がわく」と笑顔で話す。
始めた当時は趣味の一環で、採れた蜂蜜は家族や知人で消費していた。しかし、3年ほど前、地元の道の駅「端縫いの郷」がオープンしたことを機に、販売も始めた。
無添加で不純物も入らない、自然に近い状態で販売しているため、「結晶化することもあるが、本来の蜂蜜を提供できている」と孝行さん。「今後も可能な範囲内で安全・安心な蜂蜜を作り続けたい」と前を見据える。
次号をお楽しみに!