鹿角市八幡平林崎の斉藤賢一さん(40)は、18年前から農業に取り組み、現在は家族5人で経営している。主に水稲5・1㌶を父が担当。ハウス9棟では大玉トマト30㌃を斉藤さん、アスパラガス20㌃などの直売所向け野菜を妻や母、祖母が受け持つ。
「父の代から水稲だけでなく、野菜を多品目栽培してリスク分散していた」と斉藤さん。日照りが続くとトマトの花が落ちたり、水害で葉物野菜が出荷できなくなったりするなど、リスクは常に潜んでいると感じている。そのため「以前から最低限の保障は必要だと考えていた」と話す。
収入保険は制度が始まった時から興味があったが、周囲で青色申告を行っている農家が少なく、加入者があまりいなくて不安に感じていたという。
そんなとき、先に加入していた認定農業者の先輩たちがきっかけで、「成功している農家の先輩が加入しているなら、間違いないだろう」と前向きに考えた。組合職員の説明を聞き、「対象となる事故の範囲が広く、基準収入の9割を下回れば補てんされるという分かりやすい内容が良い」と感じたという。
収入保険に加入しようか悩んでいる人は、自分だけで悩まずに、既に加入し前向きに頑張っている農家に相談することも一つの手だと斉藤さんは勧める。
「今後は離農する農家が多くなるため、自分の規模が大きくなるかもしれない。収入保険に加入するので安心して挑戦していきたい」と前を見据える。