2021年4月2週号 農業保険を継続加入④
果樹共済から収入保険へ - 石垣修さん
ナシ80㌃とリンゴ40㌃、水稲、アスパラガスを栽培する大館市中山の石垣修さん(67)。果樹共済の特定危険方式に加入していたが、収入保険に移行した。
「果樹は自然災害の影響を受けやすい」と石垣さん。春の凍霜害から6月ごろのひょう害、秋の台風や低気圧による風害、冬の雪害と長期間にわたり被害を受けることが多い。防風ネットの設置や小まめな雪下ろしなど対策はしているが、防ぎ切れないことが多く、「特にひょう害や台風のときは果樹共済でお世話になった」と話す。
収入保険は地区担当のNOSAI職員から聞いた。「元からやり取りがある職員で親近感があったので、『この人が言うなら』と前向きに考えた」と振り返る。集落の座談会などで話を聞き、移行を決めた。
元々、加入していた果樹共済や水稲共済の一筆方式は収量を基準とするが、「収入保険は収入全体を見る。自分の生活の支えになるのはこっちの方だと感じた」と石垣さん。「前提として災害が無いことが一番。風でリンゴがたくさん落ちている光景を見ると心が傷む。次の年に取り組むときに支えになるものとして、良い制度だと思う」と強調する。
「中山なし」の産地として有名な中山地区では、現在も果樹共済特定危険方式の加入者がいて、ほとんどが白色申告だという。石垣さんもその一人だったが、「収入保険を知ってから青色申告を始めた。最後は税理士に確認してもらっている」と話す。
自然災害を受けやすい果樹だけでは危険だと感じ、2004年からアスパラガス栽培にも取り組んでいる石垣さん。「果樹と比べて手が掛からないし、栽培時期が重ならないため良いと思った」と説明する。今後は規模を変えず、前年の反省を生かした良品生産に集中したい考えだ。
次号をお楽しみに!