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2021年6月3週号 収入保険 保険金等受け取り⑥
長雨で水稲とネギに被害 - 須田貴志さん
 「複数の作物を手掛ける複合経営こそ収入保険は必要不可欠だと思う。経営規模が大きくなるほど想定外のことも増えてくる」と話すのは、にかほ市象潟町の須田貴志さん(46)。今年1月に株式会社権右衛門(従業員3人)を立ち上げ、水稲は昨年比で2倍超の30㌶、ネギは7倍超の1・5㌶を作付ける。
 須田さんが収入保険に加入したのは2019年。規模を拡大していく中で新たにネギに取り組むため、失敗するリスクがあり不安を感じていた。「初めての取り組みで何が起きるか分からない。収入を補償してくれる収入保険は魅力的だった」という。
 昨年は長雨の影響で水稲とネギのどちらも被害を受けた。水稲は2㌶ほどが冠水し、等外となった。ネギは水はけが悪く定植できない圃場があったことや、定植後に軟腐病が発生したことから収量が確保できなかった。
 「水稲は毎年、新規の圃場を受託し面積が増えるため、圃場の特性を把握できずに作付けることもある。収入保険だと、このようなことが原因となって被害が発生しても補償の対象となるし、今回はつなぎ融資を受けることができた」と話す。
 昨年11月初めに申請書類を提出し、同月中旬につなぎ融資を受け取った。「結果的に、決算時点で想定より収入が回復して、つなぎ融資の3分の2ほどを返還することになりそう。しかし、支出と収入のタイミングが合わないときに、つなぎ融資を受けて気持ちに余裕ができたのでありがたかった」と話す。
 今後、5カ年計画で水稲100㌶、ネギ3㌶まで規模を拡大する。水稲の育苗ハウスを増棟し、育苗期間終了後はトマトやキュウリの栽培に取り組む予定だ。規模を広げる中で「品目ごとに基準収入を設けて、つなぎ融資や保険金を受けられる特約制度があったら、さらに魅力的な保険になると思う」と期待している。
次号をお楽しみに!