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2021年7月1週号
カボチャ「くり大将」品質にプライド - JA大潟村特産かぼちゃ生産組合

 大潟村の特産品として知られるカボチャ。JA大潟村特産かぼちゃ生産組合では早生品種「くり大将」の栽培を推奨し、昨年の出荷実績は175㌧となった。吉原忍組合長(48)は農家の所得向上を目指して、作付けの拡大を働き掛けている。

 吉原組合長は「大潟村産カボチャは形、味の良さ、全て一級品で、どこの産地にも劣らない」と自信を持つ。
 苗を5月上旬に定植し、芽かき、つる押さえ、授粉、着果後の皿敷き、日よけ作業の工程を経て、7月下旬から8月にかけて収穫する。重さや形、傷を確認して選別し、同JAに出荷。スーパーなどで販売するほか、一部は大潟村特産品のパンプキンパイの原料となる。
 「生産組合では苗を販売するだけでなく、栽培を効率化や省力化するためにマニュアルを作成して、新規作付け者のサポート体制を整えている」と話す。
 同JA営農指導員らと圃場巡回を2回、出荷目ぞろえ会を2回、市場調査、実績検討会、総会などを開き、品質や生産者の技術、所得の向上を目指している。 
 吉原組合長は1・3㌶でカボチャを作付けながら、20代から70代までの組合員47人をまとめる。同JA営農支援課の田中佑哉係長は「バイタリティーのある人なので、たくさんの農家に声を掛け、カボチャ栽培を勧めて積極的に取り組んでいる」と話す。
 27歳で就農した吉原組合長は、ハウス8㌃でカボチャ栽培を開始。周りの農家からアドバイスをもらって技術を高め、露地栽培に挑戦した。
 32歳で先代から経営を継承。水稲主体の経営から脱却を図り、現在はカボチャのほか、主食用米3・7㌶と加工用米4・8㌶、小麦4・8㌶、小麦の後作に大豆を作付ける複合経営に取り組む。
 カボチャの排水対策や除草、防除作業はスマートフォンのアプリを活用して天気予報を確認し、計画的に効率の良い作業を心掛ける。今の時期は妻の久美子さん(50)とつる押さえ作業に取り組んでいる。繁忙期は子供2人の手を借りることもあるという。
 「昨年は出荷価格が過去最高だった。最近の肥料や農薬は性能が良く、これからチャレンジするには良い機会ではないか」と話し、今年も高品質なカボチャの収穫を目標に掲げる。
次号をお楽しみに!