2021年8月3週号
メロン、カボチャなど栽培 技術向上へ - 檜森大輝さん
「いずれは家業の農業を継がなければいけない」と考えていた三種町浜田の檜森大輝さん(28)。2018年に就農、父と水稲8㌶や野菜5品目を栽培し、主にメロン10㌃とカボチャ30㌃、ネギ1㌶を担当する。農産物を作る難しさに直面しながらも、農業に魅力を感じ、新たな作物栽培に取り組む。
栽培する「タカミメロン」は、7月中旬から8月上旬の午前5時から収穫される。選別後、中元の贈答品や家庭用として庭先販売する。手頃な価格で購入できることもあり、利用客から毎年好評で、今年も完売した。贈答用に購入した湯沢市の高橋貴裕樹さん(37)は「三種町のメロンは甘くておいしいとの評判を聞いた。今日は親戚に送るため買いに来た」と話す。
メロン栽培を始めるきっかけは、祖母・リエさん(93)の存在。高齢のため10年前に引退したが、檜森さんが高校生の頃、早朝からメロンの収穫・出荷作業に取り組む姿を見て、いつか自分も栽培してみたいと強く思ったという。
「1年目はとにかく必死で、いろいろ調べて取り組んだが、予想した収量の半分程度だった。現実は甘くなかった」と振り返る。翌年から先輩メロン農家にアドバイスをもらい、自分なりに研究して、品質や収量を徐々に上げた。今年は糖度が高く、「見込んでいた収穫量1㌧以上を確保できた」と胸を張る。
自分の代で新たな作物の栽培を始めたいと考え、カボチャを導入した。東京都に本社を置き、作物の栽培から販売までのサポートなどをする株式会社ゼントクコーポレーションと契約栽培を結ぶ。同社オリジナル商品「プラチナ南瓜」を作付けし、10㌃で3㌧の収穫が目標だ。
「プラチナ南瓜は糖度13以上の甘さと味の良さが特徴。契約先は生育状況に応じて栽培を指導してくれるし、買い取りもしてくれるところに魅力を感じる」と話す。
「定植から天候や病害虫防除など気を抜けない日々が続き、ようやく収穫を迎えると安あん堵ど 感に変わる」と檜森さん。「農業は努力した分だけ結果が出るが、自然とうまく付き合わなければいけない。現在の面積を維持して、品質向上のため栽培技術を高めたい」と意気込む。
次号をお楽しみに!