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2022年5月2週号 水稲共済全相殺方式 白色申告者も③
頻発する異常気象加入は不可欠 - 髙橋髙さん

 「自分の出荷実績に応じて基準収穫量を設定できることが、全相殺方式加入の決め手になった」と話すのは、横手市下境の髙橋髙たかしさん(73)。昨年、勤めていた職場を定年退職し、現在は専業農家として水稲2・2㌶の栽培に取り組んでいる。2022年産から白色申告者も全相殺方式に加入できるようになったことを受け、半相殺方式からの移行を決めた。
 過去には、稲が広範囲で倒伏し、収量を大きく落としたことがあったが、一筆方式や半相殺方式では不補償部分が大きく、満足な補償が得られないと感じていたという。一方、全相殺方式は補償割合が高いというメリットがあったが、青色申告ではなく、もみすりも自分で行っていたため、改正前の全相殺方式には加入することができなかった。
 そんな時、NOSAIから配布された広報紙とチラシを見て、白色申告全相殺方式が新設されたことを知ったという。全相殺方式では、過去5年分の出荷実績を基に基準収穫量が決められるため、より自分の実力にあった補償が受けられることに注目した。「目視による評価ではなく、出荷資料や帳簿の数字で収量を判断するため、客観性がある点も魅力的だ」と話す。
 元々、災害が少ない土地柄で、基盤整備が実施されてからは水害のリスクも軽減していた。しかし、「ほかの地域での異常気象の頻発を見ていると、備えとして水稲共済への加入は必要」と農業保険加入の重要性を訴える。
 白色申告全相殺方式への移行に当たっては、同じ地区に住むNOSAI職員から説明を受け、一筆半損特約も付加して災害に備える。「圃場が3カ所に分かれているから、一筆単位の被害でも補償されるのはいいね」と話す。
 髙橋さんは今後について「当分は今の面積を維持する予定だ。息子が後を継ぐかは未定だが、そのときは技術をしっかり引き継ぎ、規模拡大や新しい農機具の導入を考えていきたい」と意気込む。
次号をお楽しみに!