あきた版2月2週号
凍み大根 - GBビジネス仙道支部郷山の会
羽後町仙道地区の住民21人で構成する「GBビジネス仙道支部郷山の会」では、寒冷地の特性を生かした「凍み大根」を製造・販売している。
同会は、県内農村部の住民が地域活性化に向けた活動を行うための県による支援事業「GB(じっちゃん・ばっちゃん)ビジネス」を受け、2019年に設立。野菜の栽培や加工、販売などを通し、会員の生きがいづくりと地区の魅力発信につなげている。
活動の一つとして結成初年から取り組んでいるのが凍み大根作り。耕作放棄地となっていた畑約2㌃を借り、寒さに強く凍み大根に向いているとされる「三太郎」の栽培を始めた。
毎年、8月下旬に播種し、10月下旬の収穫後、洗って保管する。三浦友夫会長(75)は「昨年の生育は上々。例年より多い約700本を収穫した」と振り返る。
寒さが厳しくなる1月、会員総出で凍み大根作りに取りかかる。加工場でダイコンの皮をむき、軽く煮てあくを抜く。ひもを付け、ポプラ館(旧上仙道小学校)の風通しの良い壁につるす。
同地区は山間高冷地のため、日中と夜間の温度差がダイコンを刺激する。「しみて解けるのを繰り返すことでおいしくなる。今年は1月に入ってから暖かい日が続いて作業が遅れたが、下旬から冷えたので良い凍み大根ができそう」と話す。
ダイコンは3月下旬までつるした後、加工と包装を行い、道の駅うごや首都圏のスーパーで販売する。事務局の佐藤敏彦さん(69)は「昔は、さなぶり(田植え後のお祝い)のおやつとして凍み大根の煮しめが定番だった。そういった時代を懐かしみ、買い求める人もいる」と笑顔を見せる。商品の評判は良く、毎年一定量の引き合いがあるという。
同会では凍み大根のほか、山菜などを出荷しているが「新たな食材の加工販売ができないか知恵を出し合っている」と三浦会長。また、同地区の「お互いさまスーパー『仙道てんぽ』」が昨年閉店したため、無人販売所を造れないか検討中だ。
「コロナ禍で集落内の会合が少ない中、GBビジネスの活動で地域住民の親睦が図れる。大変な作業はあるが、和気あいあいと活動できるので、次の作業が楽しみ」と2人は口をそろえる。
次号をお楽しみに!