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あきた版2月3週号
地域食材生かした味を - 髙梨商店
 2020年10月に大仙市高梨でオープンした「髙梨商店」。店主の松本紘幸さん(39)、代表のさとりさん(37)夫妻が作るローストチキンや弁当が人気だ。地域の食材を使い、素材の味を生かした料理を振る舞うことで、地域で愛され続ける店を目指している。

 高梨で生まれ育った紘幸さんは、都内で飲食店を経営していた。さとりさんも都内でキッチンカー事業を営んでいたが、2人の経験を生かして紘幸さんの地元に恩返しがしたいという思いから帰郷。古民家を改装した店舗とキッチンカーで営業を始めた。
 看板商品のローストチキンは、砂糖と塩のシンプルな味付け。さとりさんは「鶏肉のうまみを最大限に感じられる味付けにしている」と話す。
 味付けした肉は、2時間かけてじっくりと低温で調理する。紘幸さんは「ナラの木のスモークチップでいぶしている。日本ではサクラが一般的だが、ナラの燻製が主流な米国テキサス出身の師匠のやり方を手本にしている」と説明する。鶏肉は市内の精肉店から仕入れ、できるだけ東北地方で飼養された鶏を使う。
 夏季は店舗横の畑で料理の彩りとして使うハーブやエディブルフラワー(食用花)を栽培する。「農薬を使わず、飼育する鶏のふんの堆肥を畑にまく。育てた野菜のくずを餌で与え、敷地内で循環できるようにしている」とさとりさん。料理で多く使う野菜は地元農家から仕入れ、生産者と顔の見える関係性を大切にしているという。
 昨年は店舗でのランチを休業し、キッチンカーでの販売に注力。ローストチキンやチキンオーバーライスなどがメニューに並ぶ。弁当には、紘幸さんの同級生が手がけた「あきたこまち」を使う。さとりさんは「栄養バランスに気を付け、彩り豊かにしている。素材の味を生かすため、スパイスやハーブなど自然のもので味付けしている」と工夫を凝らす。
 弁当は市内のイーストモールやしゅしゅえっとまるしぇに卸している。弁当を購入した50代の女性は「鮮やかな色合いで、野菜がたくさん取れる。素材の味を感じられる優しいお弁当」と笑みをこぼす。
 4月に店舗でのランチを再開する予定の髙梨商店。さとりさんは「今後も地域の力を借りながら、ランチとキッチンカー、弁当の卸しをバランスよく展開し、一つずつ成熟した形にしていきたい」と張り切る。
 ▽髙梨商店=大仙市高梨米打橋11、☎0187(73)7871、電話予約制のテイクアウト、弁当の卸しは水曜日から土曜日に対応 
次号をお楽しみに!