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あきた版6月3週号
彼岸用ギク収量が半数以下 - 農事組合法人 M.F.C.
 水稲2・2㌶、露地で小ギクと輪ギク1・8㌶、ビニールハウス20㌃で輪ギクやダリアなどを栽培する横手市十文字町谷地新田の農事組合法人M.F.C.(構成員3人)。昨年の猛暑で収量が減少し、つなぎ融資を受け、保険を請求した。
 羽川和宏代表理事(40)は、収入保険に加入していた父の與助さん(76)の経営を法人化するに当たり、2021年に収入保険を継続加入した。
 「JA秋田ふるさと花卉総合部会」に所属し、県内や首都圏へ出荷する。手がけるキクは2月末から8月上旬まで随時定植し、6月中旬から年末まで収穫。最盛期の盆用、秋彼岸用では、1日当たり1万5千本ほどを出荷する。
 高温少雨だった昨夏は、秋彼岸用の輪ギクに大きな影響を受けた。定植後に芽とびが発生し、本数が十分に取れなかった。羽川代表は「灌水にも努めたが、異常な高温になすすべがなかった。彼岸用の収量は半数以下だった」と唇をかむ。
 農業用機械のリースへの支払いなどを控えていたため、11月中旬にNOSAI職員へ相談。1カ月以内につなぎ融資を受けた。「資材費や燃料費の高騰もあり、資金に困っていた。早急に受け取れて助かった」と話す。今年は「精菱」「精の曲」などを栽培し、50万本弱の出荷を予定。「近年の異常気象には心配が尽きない。経営努力で避けられない減収は、収入保険が頼り」と期待を寄せる。
 最盛期にはパート8人を雇用し、出荷調整などを分担して行う。今後は露地の規模拡大を目指し、収量増加に取り組む考えだ。羽川代表は「限られた人数で効率良く作業するために、できるところから機械で省力化したい」と意欲を見せる。
 また、同法人では開花時期を調整する「電照抑制栽培」を取り入れる。薬剤散布に比べストレスがかからず、初期生育が良くなるという。「収入保険は心強く、挑戦し続けられる。これからも米に依存しない農業を実践したい」と先を見据える。
次号をお楽しみに!