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あきた版6月3週号
虫害に少雨に猛暑 - 柴田恵利子さん
 ネギ50㌃と葉物野菜など10㌃を栽培する鹿角市花輪の柴田恵利子さん(46)。鹿角市内で5年間、師匠であるネギ農家の下で、作業員として勤務し、1年間の研修期間を経て2017年に新規就農した。
 当初から青色申告を行っていたこともあり、収入保険にはNOSAI職員の勧めで20年から加入している。昨年の収量減少で保険金を請求し、営農を継続する。
 昨夏、ネギハモグリバエの幼虫の食害が発生。加えて少雨と猛暑による生育不良で、収量が大きく減少した。「例年ネギは11月ころまで出荷できていたが、昨年は10月に終了し、収入は3割程度減少した。主力は露地栽培のため被害が大きかった」と振り返る。
 収入が大きく落ち込んだことがなく、初めて保険金を受け取った。柴田さんは「税務申告後も迅速な対応をしてもらい、3月中に保険金を受け取ることができた。金融機関などから借り入れせずに済み、営農にも支障がなかった。加入して本当に良かった」と話す。農家にとって安心して営農に励むことができる重要な保険だと感じたという。
 異常気象が毎年のように起きていることから、畑と作業場の近くを流れる米代川の氾濫が、いつか起きるかもしれないと危機感を持つ。昨年の経験を踏まえ、今年は気温が上がる前に、作業を早めに進めたい考えだ。
 また、食品衛生法の改正に対応した加工所も整備。昨年から自身が栽培した野菜で漬物を販売している。ネギや他の野菜と共に、地元スーパーの直売コーナーに出荷する。
 非農家出身で、現在も家族内で農業に携わっているのは自身だけの柴田さん。「女性でも機械を導入することで、無理なく作業できる。自分のペースで働くことができ、時間を有効に活用できるところが魅力」と笑顔を見せる。
 今後は若い仲間や後継者を見つけ、地元農業と特産野菜の伝統をつないでいくことを目標に掲げ、前向きに取り組む。
次号をお楽しみに!