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2020年5月2週号
自家産野菜で総菜 地産地消を後押し - 今野米子さん

 「地産地消の商品を届けたいと思っている」と話す、羽後町の今野米子さん(66)。主に自家栽培した野菜を使った総菜や菓子を製造・販売し、毎日売り切れになるほどの評判となっている。

 以前は地元の大手菓子製造会社の勤務経験もある今野さん。昔から料理が得意で、総菜や菓子をよく作っていたという。2016年、同町でオープンを予定していた道の駅うご「端縫いの郷」に直売施設ができることを聞き、開店時からのメンバーとして参加。趣味の域を超え、本格的な総菜と菓子製造を始めた。「最初は道の駅の加工施設を借りて商品を製造していたが、1年半ほどたってからは自宅の作業場を改築して加工施設を完備した」と振り返る。
 今野さんは総菜の製造・販売に当たり、地産地消を心掛ける。使用する食材に気を配り、「基本的に自宅の畑などで生産される食材を使っている」と話す。自宅に加工施設が無かった頃は、道の駅の加工施設に材料を持ち込む時間がロスになるなど不便なことが多かったが、今は自分のペースで商品を製造できるようになったという。
 総菜で定番商品となっているのは、「五目卵焼き」をはじめ、「ポテトサラダ」「切り干し大根」「エリンギとレンコン炒め」など。毎日昼頃には全て売り切れるという。また、総菜だけでなく自家栽培した野菜も販売している。「最近は自分の名前の商品を確認して買ってくれる人も増えてきた。『うめがった』と言われた時が何よりもうれしい」と話す。

 道の駅を通して、同じ加工をしている仲間とのつながりも増えた。たまにコーヒーを飲みながら情報交換するのも楽しみの一つだという。「せっかく自前の加工施設も造ったから、自分が健康な間は末永く続けていきたいと思っている。最近は、息子や娘も6次産業に関心がありそうなので、将来は譲っていければうれしいかな」と笑顔で話す。
次号をお楽しみに!