農業共済新聞

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2020年5月3週号
廃校舎で生ハム製造 - ㈱しらかみフーズ
 白神山地の麓・大館市山田地区で「白神生ハム」を製造する、株式会社しらかみフーズ(夏井雅人代表取締役、58歳)。廃校となった小学校を工場として再利用し、県産の材料を使って手作業で生産する。

同社は、大館市出身の先代が地元に恩返しをしたいとの思いで、2009年に創業した「白神フーズ株式会社」を引き継いだ。08年に廃校となった旧山田小学校を利用。教室はそのままの状態で加工や熟成に必要な設備を追加し、10年に生ハム製造工場として生まれ変わった。
 製法は、スペインの「ハモン・セラーノ」(山のハム)を元に、白神山地の気候風土に合わせて独自に改良した。生ハム作りは風通しが重要で、夏井代表は校舎について「教室の窓が大きく、前を遮るものがない
ので、風通しが良いことから、うってつけの場所」と説明する。同じ教室の中でも風の当たり具合が違うため、年に2~3回窓側と廊下側を入れ替え、熟成が均等に進むようにしているという。
 材料は秋田県産の三元豚と天日塩だけで、発色剤や防腐剤などの添加物は一切使用していない。また、成形や血抜き、塩の擦り込み、塩抜きと生産工程は全て手作業。白神山地の麓という冷涼な環境で温度と湿度を保ち、18カ月以上じっくり熟成することで、芳醇でまろやかな味の生ハムが出来上がる。

 「好き嫌いがある食べ物だが、いろいろな人に食べてもらい、この味を知ってほしい」と夏井代表。「世界3大生ハムといわれるイタリアの『プロシュート・ディ・パルマ』、スペインの『ハモン・セラーノ』、中国の『金華火腿(きんかかたい)』に並び、日本の白神生ハムで世界4大生ハムといわれるように頑張りたい」と意欲を見せる。

 ▽株式会社しらかみフーズ=大館市山田寺下24、℡0186・5 4・0022、ホームページhttp://shirakami018.com
次号をお楽しみに!