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2020年12月1週号 経営拡充へ自信作①
メガ団地で注力 - えつりファーム(株)
 2015年、227㌶の基盤整備事業が行われた大館市上川沿地区で、4法人が設立された。その中の一つ「えつりファーム株式会社(兜森和雄代表、70歳)」は、米に依存しない経営で野菜の周年栽培に取り組み、産地化を目指す。
 水稲24・9㌶やエダマメ15・6㌶、ニンニク11・1㌶、アスパラガス5㌶などを栽培。特にエダマメは4法人でメガ団地化に取り組み、栽培に力を注ぐ。
 毎年、各法人の代表が集まり、作業の流れや使用する資材などを計画。極早生から晩生まで7品種を組み合わせて収穫時期を分散し、各法人約15㌶ずつ作付ける。兜森代表は「昨年まで各法人に任せていた防除を今年から年間計画に組み込んだところ、規格外のエダマメが減った」と話す。
 また、水稲栽培を継続し、作業の省力化を図るため、鉄コーティング直播を取り入れている。以前は慣行栽培の粒数を播いて分けつを促進し茎数を確保しようとしていたが、今年は誤って種を多く落としてしまった結果、収量が上がった
という。「来年は粒数を多くし、茎数よりも株数を増やす方向でやってみたい」と話す。

 その他、周年で作業をするため、アスパラやニンニクに取り組む。「最初はニンニクをやっていなかったが、収入を増やすため小規模から始めた。その後、地域の別法人とメガ団地化を図り、面積がかなり増えた」と振り返る。6月から
7月にかけて収穫したニンニクを冷蔵庫で保管することで冬期間も出荷でき、周年作業が可能になるという。
 えつりファームでは“地元資源の有効活用”を柱に、比内地鶏の堆肥や十和田石を土壌に散布している。また、作業が遅れないよう適期に収穫することで、特にエダマメは甘くておいしい仕上がりになるという。兜森代表は「東京の
市場から『ここの作物がほしい』とリクエストされる」と笑顔を見せる。
 「『他の法人に何か一つ勝ちたい』という夢はあるが、まずは確実においしい作物を作れるように頑張る。余裕が出てきたら加工にも挑戦してみたい」と話す。
次号をお楽しみに!