【潟上市】気温30℃超えの暑さの中、ハウスでトルコギキョウの出荷作業に汗を流す潟上市昭和の菅原弘行さん(29)。2012年に帰郷し、4年前から花き栽培をスタートさせた。7月中旬から始まった出荷作業に追われながらも、新たな産地として規模拡大を目指し、日々奮闘する。
菅原さんが花き栽培を始めたのは22歳のとき。高校を卒業後、関東方面で生活していたが、両親から「秋田に帰ってきて花き栽培を手伝ってほしい」との要望があり、帰郷した。
初めは両親の手伝いでキクやバラの栽培に携わっていたが、県の普及指導員からのアドバイスと地元JAの協力を受け、トルコギキョウの栽培も始めた。現在手掛けるのは約2万本。「ハピネスホワイト」や「コレゾライトピンク」など、白やピンクを中心とした12品種をハウス4棟で栽培する。「最初はバラも数品種栽培していたが、今は1品種だけ。トルコギキョウの方が高い単価で出荷できるため、年々シフトしている」と菅原さんは話す。
少しでも品質を良くするため、管理作業にも力を入れる。花を大きくし見栄えを良くするため、出荷時の形をイメージしながらわき芽を摘む。また、栽培を始める前にハウス内を60℃以上で熱消毒し、栽培中は粘着シートをハウス内に設置するなど、病害虫による被害を最小限にするよう努力を惜しまない。「花がイメージ通りに咲いたときは、手をかけて育てたことが実を結んだようでとてもうれしい」と話す。
以前は2戸だったトルコギキョウの生産農家も、今は8戸まで増えているという。「県北、県南地区に比べると、湖東地区はまだまだ産地として小さい」と菅原さん。「大規模産地を見本とし、足りないところを模索しながら少しでも品質の良いものを生産したい。毎日が修行です」と意欲を見せる。
▽経営規模=水稲2・3㌶、ハウス12棟でトルコギキョウ・キク・バラ・葉物野菜