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2021年9月2週号 農家民宿③
地元食材の料理が売り - しばたん家
 「三種町には自慢できる食材がたくさんある。地元食材を使った料理で町おこしをPRして、地域の伝統食を守りたい」と話す柴田千津子さん(69)。9年前に地元JAを退職後、農家民宿「しばたん家」を開業したオーナーだ。
 現在、夫・金富さん(70)と水稲10㌶や野菜を栽培。農業体験参加者と稲刈りをしながら、田んぼでおにぎりを頬張るのが楽しみの一つという。
 しばたん家では、地域で取れる食材を中心とした旬の料理や体験プログラムで利用客をもてなす。同町特産品・ジュンサイの摘み取り体験や鍋作りのメニューを用意する。同じ特産品のウメを使った酒やジャムを食事に提供して好評だ。ほかにはそば打ち体験、稲刈り体験、きりたんぽやだまこ鍋などさまざまな料理プログラムがある。
 千津子さんは、11年前にJSIA寿司インストラクター協会の「飾り巻き寿司資格」の2級を取得した。料理作りプログラムで教える飾り巻き寿司は、特に人気。女性は季節の花やチョウの図柄など、子供は車やキャラクター絵柄などを自由に選び、かたどって調理できる。
 「若者の米離れが進んでいると感じる。米の消費拡大のために、どうすればいいかを考えたら、飾り巻き寿司なら子供も作ることができると思った」と話す。
 子供の食に対する興味にも一役買っているという。「大好きなキャラクターで作れるから、興味を持ってくれる。自分が作ったものは全部食べてくれるので、これからもお米をたくさん食べてほしい」と千津子さんは笑顔を見せる。
 人気の飾り巻き寿司は、加工所を造ることができれば商品の販売が可能だが、町外や県外の方にさまざまな体験をしてもらい、三種町の良さを知ってもらいたいとの願いを持つ。
 千津子さんは「今はコロナ禍で県外からの宿泊予約は一時中止しているが、以前は高知県や北海道の団体客でにぎやかだった。新型コロナウイルスの早期収束を願い、地域の伝統食を発信していきたい」と意気込む。
次号をお楽しみに!