2021年10月2週号 収入保険が経営を下支え②
2022年分から加入へ - 赤平貴之さん
赤平貴之さん(54)は湯沢市三関地区で、現在オウトウ60㌃、リンゴ20㌃を栽培する。父・良悦さん(83)が栽培する果樹を仕事が休みの日には手伝っていたが、後を継いで果樹農家として生計を立てたいと、2019年に一念発起。勤めていた仕事に区切りを付け、本格的に就農して3年目となる。
赤平さんは、オウトウの補償を含め、果樹経営全体を考慮して22年分から収入保険に加入する。これまで果樹共済(リンゴ・特定危険方式)に加入していたが、来年から特定危険方式が廃止されるほか、果樹経営は年によって収入変動が大きく、引き継ぐ上で不安に感じ決断した。
以前から、父親の農業収支の確定申告(青色申告)を取りまとめ、収支を把握していた赤平さん。「農業は天候に左右されやすいとはいうが、近年の異常気象は想定を度々超えてくる。価格面でもコロナ禍による消費低迷など、経営努力ではどうにもならないこともある」と収入保険への加入を考えた。
「収入の減少が対象。補償の基準となる収入金額が過去の青色申告実績(経営実績)によって設定されるなど分かりやすい。最高で9割補償と、これらの充実した内容で保険料や積立金には国の補助があって、保険料等の安さも加入の理由となり、これからの果樹経営に安心が持てた」と話す。
就農後は、果樹関係の会議などに顔を出す機会が増え、仲間や先輩からさまざまな知識を得るなど自分なりに経営に取り入れる。「まだまだ勉強不足で失敗もあるが、果樹栽培に向き合うようになり、達成感を味わうことが増えた。前より楽しくなっている」と話す。
収入保険に加入してリスク分散を図り、安定経営を目指す赤平さん。今後も経営努力を惜しまず、技術向上と経験を着々と積み重ねる。
次号をお楽しみに!