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2021年12月2週号 自家産果実で加工品③
リンゴジュース - かづのSMILE☆RING ― O
 「リンゴジュースを多くの人に手に取ってもらい、自分たちが楽しく農業をやっていることを知って、農業って楽しそうでやってみたいという人が増えれば」と話すのは、鹿角市の若手農家グループ「かづのSMILE☆RING ― O」のメンバー一同。リンゴの栽培と加工品販売に取り組む農家たちだ。
 グループのリーダー・としま農園の戸嶋めぐみさん(42)、とざわりんご園の兎澤光晴さん(37)、大湯観光りんご園の妹尾千夏さん(38)の3人で結成し、3年前から活動する。各自が農園を経営する傍ら、同市特産の「鹿角りんご」を多くの人に知ってもらうため、日々頑張っている。
 今年はグループで同市の「ワイナリーこのはな」へ「リンゴシードル」の加工用に「ふじ」1㌧を出荷した。この酒は、JR東日本「トランスイート四季島」で提供されている。さらに東京都浴場組合に加盟する銭湯へ「りんご湯」用としても0・8㌧を届ける。
 戸嶋さんは「さらに多くの人に知ってもらうため、グループ名の入った商品を作ろう」とリンゴジュースの試作に昨年取り掛かった。一般的なリンゴジュースは、ふじがメインで少量多品種をブレンドして甘めの味が多いが、元々、各自でリンゴジュースを販売していたため、差別化を図ろうと「スッキリした味」にしたという。
 開発には「道の駅かづの」の協力を得て、レストランの利用者に試飲を行った。品種の配分量をおおよそ決め、値段や味などに関するアンケートを実施。ラベルのデザインは、妹尾さんの知人で同市生まれの都内在住デザイナー・中村美由紀さんと打ち合わせを重ね、完成させた。
 とざわりんご園の甘味と酸味のバランスが良いふじ10箱、としま農園の酸味が強い「ジョナゴールド」5箱、秋田で誕生した品種を入れたかったため、大湯観光りんご園の「千秋」5箱をブレンドしてジュースにした。昨年、300㍉㍑を900本作り、道の駅「かづの」と「おおゆ」で販売した。
 今後は「コロナが落ち着けば、都内にリンゴやジュースを直接持って物販に行きたい」と妹尾さん。兎澤さんは「ソースやドレッシング、焼き肉のたれなどに挑戦したい」と前を向く。
次号をお楽しみに!