2022年4月2週号 固い絆でまい進③
小学校からの親友同士で - 井上慎栄さん、菅原悟さん
湯沢市山田地区の農業生産法人有限会社田んぽぽ(役員3人、従業員3人)では水稲19㌶を栽培するほか、産業用無人ヘリコプターや小型無人機(ドローン)を使って水稲病害虫防除130㌶を請け負う。
今年の作業が本格的に始まり、井上慎栄代表(47)は「自分と共に仕事をする従業員、地域農家の方々が支えてくれている。感謝の気持ちは忘れないようにしている」と話す。
農業法人を経営する中で、小学校から高校まで一緒だった同級生の菅原悟さん(47)の存在は大きいという。菅原さんは2003年に、実家の農業を受け継ぎたいと一念発起してAターンした。農業を本格的に始めた頃、井上代表に協力。現在、水稲6㌶の栽培を主体に営農に取り組む菅原さんは、田んぽぽの従業員としても働く。「自分の環境が変わり大変だったが、何とか慎栄を助けたかった。農業だけでなく、何でも言い合える親友」と話す。
互いが農業をなりわいにしているため、手助けやアドバイスが心強い。無人ヘリコプターでチームを編成し、オペレーター作業に従事。2人の協力関係はこれからも続く。 同社は05年に亡父の井上栄悦前代表が水稲栽培を中心に、無人ヘリコプターによる防除体制を構築して設立。15年に井上代表が引き継いだ。
設立当初は、水稲栽培と請負防除を合わせて110㌶ほどの面積だった。面積が年々増えるため、労働力の確保が課題に。労働力は補えたが、圃場の把握に時間を要するなど手探り状態で苦労が続いたという。
井上代表は「担い手不足などで受託面積の増加が見込まれる。作業量にまだ余裕はあるが、さらなる作業の効率化や雇用環境の整備などを進めていく必要がある」と話す。
今後を見据え、井上代表は「従業員の協力はもちろんだが、悟の客観的な視点や意見もしっかりと取り入れて事業を進めていきたい」とお願いすると、菅原さんは「良いと思うことは、どんどん意見していく。遠慮しないからね」と答える。2人は農業を通じ、「微力ながらも地元の発展に貢献できれば」と考えている。
次号をお楽しみに!