農業共済新聞

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2022年8月2週号
持続可能な経営目指す - 櫃崎集落営農組合

 「農業経営を持続していく環境づくりが一番大事だ」と話す大館市の櫃崎集落営農組合・虻川静男代表(66)。構成員15人の交流を図りながら、水稲29・2㌶と大豆約6㌶を作付ける。

 JAの支援部から話を持ちかけられ、2008年に営農組合を設立した。当時は6人が立ち上げに携わった。そのうちの一人、虻川正治さん(70)は「地区の全農家に加入を依頼するため歩き回り、加入した農家の保有機体や経営面積を調べるなど組合の指標作成に苦労した」と振り返る。
 営農組合では播種機やアッパーロータリー、乗用管理機「ハイクリブーム」、培土機を所有。播種や防除、除草、収穫などを共同で作業する。虻川代表は「地区全体の景観を損なわないよう、全員で肥培管理を徹底し、堅実な収量と品質を確保している」と胸を張る。
 各自の得意分野などによって作業内容や配分面積を決定。効率を上げるために作業計画を立てるのは苦労するが「構成員の多種多様な知識を取り入れながら作業し、無事に終わらせることができるのはありがたい」と話す。
 また、相互扶助と構成員同士の交流を大切にしている営農組合。作業や会議などで集まった際は、互いにアドバイスするなど情報を交換している。「営農組合ができてから話し合いをすることが多くなり、一部の人たちしか持っていなかった情報を共有できるようになった」と利点を挙げる。
 構成員の家族で新規就農者がいた場合、技術面や労働力をバックアップ。構成員に予期しない事態が発生したときや機体のトラブルがあったときは、作業を委託し合う。また、離農者が出た場合は圃場を請け負うなど集落内の農業を持続させるため、互いに助け合うことを念頭に置く。
 「単に『現状維持』ではなく『持続可能な農業』を目標としている。各自の得意分野や経験を生かし、交流を活発にして助け合いながら活動を続けていきたい」と話している。
次号をお楽しみに!