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あきた版6月1週号
被害から立ち直る備え - 菊地昇一さん

 リンドウ40㌃と水稲14㌶を栽培する藤里町大沢地区の菊地昇一さん(62)。昨年の大雨で圃場の冠水を受けたが、保険金等を受け取って営農を続け、品質向上に向けて努力している。
 収入保険には制度が開始した2019年から加入。以前加入していた水稲共済より補償割合が高いことに加え、補償がなかったリンドウをカバーできる点に魅力を感じた。
 栽培するリンドウは「あきたの青」や「あきたの秋空」「深山秋」など早生から晩生の6品種。菊地さんは「藤里町は白神山地の麓にあるので、夏の冷涼な気候がリンドウ栽培に適している」と話す。
 収穫は7月下旬から10月下旬まで。JAあきた白神を通じて県内や首都圏の市場に「あきた白神りんどう」として出荷される。青紫やピンクのグラデーションが鮮やかな発色で、市場で高い評価を得ているという。
 同地区では昨年8月3日の大雨で近隣の大沢川が氾濫。圃場は冠水し、土砂流入もあって支柱の多くが倒され、収穫量が激減した。仏花のリンドウは出荷最盛期が盆前のため「盆に向けてこれからという時期でショックだった」と振り返る。
 今年1月中旬に国税電子申告・納税システム「e ―Tax」で税務申告を行い、2月上旬に保険金等を受け取った。「保険金等の有無で翌年の営農への対応が全く変わってくる。本当にありがたかった」と安堵する。
 自身の経験から認定農業者の会合などで、他の農家へ収入保険の加入を勧めている。「被害から立ち直れず離農する人を減らしたい。価格低下や自然災害は、自分の努力では及ばない。少しでも不安がある人は必ず加入した方が良い」と保険の重要性を強調する。
 今後は経営規模を維持し、品質向上のためにさらなる努力を続けたいという菊地さん。「これからも継続して加入していく。加入者が増え、より高い補償割合を選択できる制度になってほしい」と期待を込める。
次号をお楽しみに!