あきた版4月1週号
原木シイタケ 高品質に向け細心 - 齋藤瑠璃子さん
齋藤農園を営む仙北市西木町の齋藤瑠璃子さん(39)は、ハウスと露地で原木シイタケを手がけている。重労働だが母と2人で管理し、丁寧な栽培を心がける。品質の良い齋藤さんのシイタケは、県内外へ出荷され、好評を得ている。
「秋山A ― 950号」と「菌興697号」を周年栽培。露地では春だけ収穫し、ハウスでは1回の植菌で年3回発生させる。ホダ木は2年間使い、使用後はハウスを加温するまきとして活用している。
植菌作業は3月ごろ。ナラのホダ木を調達してドリルで穴を開け、形成菌を押し込む。植菌後は菌糸を活着させるため被覆材で保湿。菌糸紋が出たら被覆材を外して本伏せし、菌糸をまん延させる。ハウス分は散水や温度管理などを行い、露地分はホダ場へ運んで自然発生を待つ。
齋藤さんは「ハウス栽培では発生状態が毎回違う。浸水時間や管理を細かく記録しているため、過去の記録を基に、状態に応じて管理している」と説明する。
管理の仕方が品質に大きく影響するため、温度には特に気を配る。ハウス内は冬季10度、夏季20~25度に保つ。収穫後は、野菜宅配サービス「健菜倶楽部」や東京の松屋銀座、同市のワンダーモールなどで販売している。
周年栽培はハウス1棟で行うが、冬季は大きくて肉厚な「菌興115号」も2棟で手がける。そのうちドーム形で形が良く、かさの直径が9㌢で厚さが5㌢のシイタケを「絹」の名前でネット販売。「味と香りが格別で、舌触りが滑らか。うまみが強く『シイタケ嫌いでも食べられる』との声をいただいたこともある」と胸を張る。
干しシイタケの加工にも取り組み、ワンダーモールや大仙市の産直施設しゅしゅえっとまるしぇなどで販売。値段は店舗ごとに異なるが、スライス40㌘入りは約700円、150㌘は約1800円(ともに税込み)で購入できる。「玄米と炊き込み、食べる直前に塩かしょうゆをかけると絶品」とほほ笑む。
しゅしゅえっとまるしぇの藤田学店長(43)は「齋藤さんは職人気質だが気さくな方。干しシイタケのシンプルなラベルが格好良く、お薦めの商品だ」と話す。
長ネギ1・3㌶や水稲60㌃、特産「西明寺栗」も手がける齋藤さん。「規模を維持しながら、高品質な農作物を作り続けたい」と話している。
次号をお楽しみに!