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あきた版6月1週号
30年で初の害虫大繁殖 - 佐々木通子さん

 小ギク1㌶と水稲3・2㌶を栽培する、にかほ市大竹の佐々木通子 さん(73)。昨夏の猛暑で害虫が大量繁殖し、秋に収穫する小ギクが半数以上出荷できず、収入が大きく落ち込み、保険金を受け取った。「小ギク栽培を始めて30年になるが、初めての経験でショックが大きかった」と振り返る。
 2021年から収入保険に加入。花きも補償の対象になるため、制度開始時から関心はあったが、加入にちゅうちょしていた。そんな中、NOSAI職員から簡単な加入手続きや、青色申告実績に基づく明瞭な評価について説明を受けたことが決め手となった。
 加入1年目は、農薬散布作業がうまくいかず出荷できない状態になり、減収してしまった。佐々木さんは「補てんしてもらえるとは思わなかった」と保険のありがたみを実感。昨年の被害時には、収入保険に加入していることで精神的にも助けられ、心強かったという。
 佐々木さんは、水稲の農作業の隙間時間でできる作物を模索し、1993年に小ギク栽培を開始。当時はハウスで花き栽培をする農家が近隣にいなかったため、普及センターやJAに相談し、勉強しながら始めた。規模を少しずつ拡大し、現在は小ギクを軸に営農する。
 出荷時期で価格の変動はあるが、品質の良い小ギクを安定して出荷するよう心がけている。「最近は孫が積極的に手伝うなど、家族がバックアップしてくれている。とても楽しく励みになる」と笑顔を見せる。
 昨年の異常気象の影響は大きく、周囲の農家とも収入保険について話す機会が増えた。「加入要件の青色申告がネックになっているようだ。青色申告へ切り替えをサポートする機会がもっと増えれば」と期待する。
 今年も気温の高い日が続くと予想されることから、ハウス内にスプリンクラーの設置を検討する。「いつ何が起こるか分からない状況だが、収入保険に加入している安心感は大きい。今後も家族と協力しながら、消費者に喜ばれる高品質のキクを出荷し続けたい」と張り切る。 
次号をお楽しみに!