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あきた版7月1週号
加工用米を乾田直播 春作業省力化 コスト低減と増収へ - 菅野正史さん

 大潟村の菅野正史さん(50)は主食用米「あきたこまち」6・8㌶と加工用米「たつこもち」11・6㌶、小麦「銀河のちから」4・8㌶、大豆「リュウホウ」11・2㌶を栽培する。加工用米のうち4・4㌶を乾田直播で行い、春作業の省力化を実現。コスト低減と収量増加の両立を目指して取り組む。
 宮城県で乾田直播が行われていることを知り、村でも取り入れられないか調べ始めた菅野さん。JA大潟村へ相談し、2022年から直播栽培に取り組む。「農機具業者からデモ機を借り、1・2㌶から始めた。初年度から移植と同等の収量が得られた」と振り返る。
 圃場がよく乾き、降雨のない日を見計らって今年は4月5日に播種した。播種機(ドリルシーダー)は同JAからリースし、自身が所有するトラクターに取り付けて使用。移植と比べ、苗箱1200枚分のコスト削減につながった。
 条間は30㌢で、播種量は10㌃当たり5・5㌔。播種深度は2・5㌢に設定した。翌日にケンブリッジローラーで圃場を鎮圧し、土壌と種子を密着させた。「今年は播種後に雨が降らないことで、出芽が遅くまだらな所があったが、水管理

に努め、その後は順調に生育している」と話す。除草剤は出芽の前後に計3種を散布。5月下旬に3葉になってから圃場へ水を入れた。
 菅野さんは天候を把握し、適期に作業できるよう早めに段取りを決めて取り組む。頻発する近年の異常気象に危機感を抱き、経営安定のため、収入保険に今年加入した。
 「自分の努力では未然に防げない収量減少が心配だった。補償のおかげで安心できる」と期待を寄せる。収穫後は「株式会社大潟村カントリーエレベーター公社」へ全量を出荷する。同JA営農支援
課の齊藤究係長は「菅野さんはとても研究熱心で、収量もしっかり上げる。これからも地域農業をけん引していってほしい」と話す。
 昨年は天候不順で加工用米の10㌃当たり収量は600㌔ほどにとどまった。今年は直播も移植と同様の720~780㌔を目標に掲げ

る。菅野さんは「資材代や機械代が高騰し、ハウスの建て替えや田植機の入れ替えは負担が大きい。播種機を購入し、直播栽培を中心にさらなる省力化と経費削減につなげたい」と意欲を見せる。
次号をお楽しみに!