農業共済新聞

トップ > 広報活動 > 農業共済新聞 あきた版7月3週号
あきた版7月3週号
㈲折林ファームを第三者継承 農業にチャンス - 三浦徳也さん

 由利本荘市芦川にある有限会社折林ファームの三浦徳也代表取締役社長(43)は、水稲60㌶やソバ22㌶、タマネギ10㌶などを栽培するほか、比内地鶏を1万3千~1万5千羽飼育する。「前例がないからできないではなく、ないなら自分たちでつくればいい」と話す。2011年に入社し、現在2代目代表として会社運営に力を注ぐ。
 前職で営業活動をしていた三浦社長は、農業経験がなかったが、農家と交流する機会があり、農業にビジネスチャンスを感じたという。当時、県内でも先駆的な農業法人だった同社を偶然通りかかり、飛び込みで雇用を直談判。「先代は相当戸惑っていた。何度も足を運んで自分のビジョンを売り込み、入社にこぎ着けた」と話す。
 入社当時はできる農作業が限られていたため、シフト制を取り入れた労務管理の改善や管理圃場の図面整備などから着手。農業機
械の操作を練習し、現場仕事も任せてもらえるよう全力で取り組んだ。
 現在、従業員は10人在籍。22〜48歳と若手が中心だ。県外からの移住者や秋田アグリフロンティア育成研修生など、非農家出身で農業未経験者が多い。「やる気があれば未経験でも雇用する。ただし、仕事内容や現場を見て、大変さを十分に理解してもらった上で、それでもやりたい気持ちがあれば」と話す。
 モンゴル出身で秋田大学大学院に在籍するアルバイトのウスフバヤル・ミンジンソルさん(24)は、外国人就労支援に関わる事業を起
業するため、50件以上の企業に連絡。唯一話を聞き、賛同してくれたのが三浦社長だったという。「スピード感ある行動力で『まず、やってみよう』が口癖。挑戦心の塊のような人」と笑顔で話す。
 今後は一部の限定区域で再生可能エネルギー農業を確立したい構想だ。三浦社長は「地元由来の水力、風力、太陽光エネルギーの活用で、ランニングコスト削減と地域防災にもつながると考えている。成功するか分からないが、やらないことには始まらない」と話す。
 先代から引き継ぐ「生涯挑戦」をモットーにする三浦社長。「デジタル農業の展開など、実益になるような新しい事業を展開していきたい」と挑戦は続く。
次号をお楽しみに!