農業共済新聞

トップ > 広報活動 > 農業共済新聞 2021年10月3週号 白神ねぎに懸ける②
2021年10月3週号 白神ねぎに懸ける②
地元食材取り入れて加工品 - (株)白神屋
 能代市扇田にある株式会社白神屋(従業員4人)は、食を通じて地域を発信することをモットーに「白神ねぎ」をはじめとする地域商材(農畜産物)を活用した自社商品の開発と、独自のネットワークで他社商品を仕入れ、大手企業への卸売りに力を入れる商社だ。
 「地域のブランド農産物である白神ねぎを活用した新しい商品を開発できないか」と考えた園部精一郎代表取締役(46)。地元能代で古くから愛されているB級グルメ「豚なんこつ」と組み合わせ、豚なんこつから染み出るコラーゲンと白神ねぎの風味、甘さの相乗効果を狙い、商品開発に着手した。
 2018年、豚なんこつを主原料にオリーブオイルと白神ねぎ、白神にんにく、大豆を秋田みそで仕上げた肉みその缶詰「豚極」を開発し、販売を始めた。白神ねぎを加えたことで、豚なんこつから出るコラーゲンがよりまろやかになり、そのままでも食べられるという。また、農林水産省が取り組む「スマイルケア食」の「青」マークの利用許諾を得ている。健康維持上、栄養補給を必要する人向けの商品で、化学調味料は無添加だ。
 園部代表は商品名の由来を「使用している豚なんこつは、豚1頭から500㌘ほどしか取れない希少部位なので『豚極』と名付けた」と話す。
 
 19年には、第2弾「白神ねぎ香る比内地鶏スープ」を商品化した。このスープは「比内地鶏」を使い、深い味わいとコクが溶け出したスープに仕上げ、白神ねぎのうま味と香りを強調した粉末状の商品だ。「スープとしてはもちろん、おにぎり、野菜炒めなどにも使用できる万能調味料」と話す。
 第3弾として昨年、「比内地鶏と白神ねぎの贅沢卵かけごはんの素」を発売した。温かいご飯に生卵を割って入れ、そこに卵かけごはんの素を振り掛け、混ぜ合わせる。比内地鶏のうま味と白神ねぎの香りが際立つぜいたくな卵掛けご飯が味わえるという。
 園部代表は「全国に誇れる農産物、白神ねぎは地域を元気にできる食材。この食材の魅力を引き出して商品開発、販売に力を入れたい」と話す。
 商品の良さを消費者が知り、購入してもらうよう会員制交流サイト(SNS)を活用しながら、商品説明やイベント告知を行っている。今後は「食とつながりある地域とのネットワークを構築し、観光業界とも連携を図って、この素晴らしい地域をより多くの人に知っていただき、体験してもらいたい」と意気込む。
   
次号をお楽しみに!