園芸施設共済の概要
園芸施設共済は、自然災害などによる損害を補償し、施設園芸農家の経営安定をはかることを目的とした制度です。
加入できるもの
特定園芸施設 (ハウス本体) |
ガラス室・パイプハウス・鉄骨ハウス・雨よけハウスなど
※所有又は管理する全棟を加入します。なお、車庫・倉庫等の作物の栽培を目的としていないハウスについては加入できません。 |
施設内農作物 |
ハウス内で栽培されている野菜・花などの農作物(ほうれん草・キュウリ・トマト・キク・バラなど)
ただし、育苗中のものは除きます。
※施設内農作物は、すべての共済事故に対して補償する「一般方式」と、病害虫を補償の対象としない「事故除外方式」を選択できます。 |
附帯施設 |
冷暖房施設・カーテン装置・かん水施設・換気施設・しゃ光施設など |
撤去費用 |
ハウス本体の解体・搬出・処分に要する経費を補償します。 |
復旧費用 |
ハウス本体及び附帯施設を復旧するのに要する経費を補償します。 |
補償期間
掛金を払込みした日の翌日から1年間です。
補償額について
補償内容
最高で共済価額(加入時の時価額)の80%まで補償します。補償割合は40%〜80%の範囲で選択できますが、最高補償の80%をお勧めしております。
補償額(共済金額)= 共済価額(加入時の評価額) × 80%(補償割合)
【例】ハウスの価額が30万円の場合の補償額は24万円となります。
30万円(共済価額)×80%=24万円(共済金額)
※共済価額:加入するハウスと同一のものを新築するための必要な額から、経過年数に応じた減価償却額を差し引いた額です
●園芸施設の経年減価とは
ハウスは建設後、時間の経過とともに風雨等により劣化が進み、強度や耐久性が低下して価値が下がっていきます。
施設本体や付帯施設には、時価現有率、フィルムには被覆経過割合を定め、時価額を算定します。
●小損害不填補の選択
小損害不填補とは、共済金支払の基準となる損害額のことで、加入申込時に次のア~ウより選択できます。選択した金額は加入する全ての棟に適用されます。被害額が選択した金額を超えたとき、共済金をお支払します。
ア 3万円(共済価額の5%に相当する額が3万円に満たないときは、共済価額の5%)
イ 10万円
ウ 20万円
※選択した金額が高いほど掛金は安くなります。
共済掛金と国庫負担
共済掛金の2分の1は国が負担します。(復旧費用部分を除く)
※共済金額の合計1億6千万円限度農家が負担する共済掛金は、被覆する期間と被覆しない期間ごとの掛金の合計額です。
〈被覆期間〉
共済金額×被覆期間掛金率×被覆期間割合×1/2(農家負担割合)
+
〈未被覆期間〉
共済金額×未被覆期間掛金率×未被覆期間割合×1/2(農家負担割合)
※掛金率は各NOSAIによって異なります。お近くのNOSAIにお問い合わせください。
対象となる災害
- 風水害ひょう害・雪害
- その他気象上の原因(地震及び噴火を含む)による災害
- 火災
- 破裂及び爆発
- 鳥獣害
- 病虫害(生理障害、薬害は除く)
- 航空機の墜落、
接触等
- 車両の衝突、接触等
※病虫害事故除外方式を選択された場合は、病虫害は支払対象になりません。
支払いについて
共済金支払い
災害のあった1棟ごとに損害額が加入時に選択した小損害不填補の金額を超えた場合(3万円を選択した場合は3万円または共済価額の5%のどちらか低い額)を超えた場合に損害額の8割を上限に共済金として支払います。
支払共済金 = 損害額 × 80%(共済金額/共済価額)
支払い例(ハウス本体の場合)
加入状況
加入年月:4月15日
本体価額: 600,000円(パイプ80本)
被覆材価額:200,000円
共済価額:800,000円
付保割合:80%
共済金額: 640,000円
小損害不填補:3万円を選択
被害状況
台風により半壊
事故月日:9月15日
パイプ:40本取り替え
ビニール: 分損(70%)
自然消耗割合:12%
被害額・支払共済金
● 本体【1本当たり価額×損害スパン数】 → 7,500円×40本=300,000円
● 被覆材の損害額【被覆材の価額×損害割合(%)×(1 – 自然消耗割合)】
→ 200,000円×70%×(1 – 0.12)=123,200円
● 損害額計 → 423,200円
支払共済金 → 423,200円 × 80% = 338,560円