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2022年1月1週号 サキホコレ栽培農家①
地力上げ肥培管理に細心 - 一関健次さん
 「サキホコレが無事においしい米に仕上がってくれて一安心した」と話すのは、五城目町久保下地区で水稲5㌶を栽培し、サキホコレを0・6㌶作付けした「JAあきた湖東サキホコレ生産部会」部会長の一関健次さん(73)。
 4年前、「秋系821」という名称の頃から興味を持ち、県農業試験場の研修に参加していた。良食味米の栽培実績がないと作付けできないなどの条件があったが、同JAの推薦で作付けることができた。
 食味の良さが特徴のサキホコレを栽培する上で「米にとって土と水は、一番重要な資源だ」と考える。最初に作業したのは土壌改良で、土を肥やすこと。地力を上げて、肥料の使い方などに注意して食味を引き出すことに努めた。
 「水は上流にある圃場から順番に入れるため、集落に届かない状況で管理が大変だった。苦労したが、必要量を確保できた。環境が整って期待した食味になった」と振り返る。
 サキホコレを試食した近所の主婦、一関正子さん(72)は「炊飯釜で炊く時から匂いが際立った。風味がほかの米と違い、味が良かった」と話す。
 昨年、本圃への移植作業は「あきたこまち」を植え始めてから約1週間後の終盤に行った。晩生種のため、出穂や収穫適期は、あきたこまちよりも遅かったという。収穫や乾燥などは異品種が混ざらないよう機械の掃除に気を付け作業。健次さんは「サキホコレは穂が長くて、もみに付いている毛も長くたくさん付いていた」と話す。
 健次さんは、JA全農が主催する「美お味いしいあきたこまちコンテスト」に毎年応募する。2020年産の優秀賞に選ばれた時は「努力が報われ、うれしかった。農業を始めて30年以上たつが、どうすれば高品質な米ができるのかを心掛けて作っている」と話す。
 今年、JAあきた湖東管内では33人が作付ける予定だ。決められた面積の中、いかにおいしい米を作れるかチャレンジしたいと意気込む。
次号をお楽しみに!