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あきた版6月3週号
前経営者の実績引き継ぎ加入 - 嵩下功さん
 オウトウ1・3㌶を栽培する湯沢市三関地区の嵩下功さん(42)。経営2年目に甚大な被害を受けたが、笑顔あふれる経営を目指して張り切っている。
 東京都生まれで、都内の福祉に関する仕事に就いていたが、妻の実家がある同市でオウトウ農家が後継者を探しているという話を聞き、2019年に移住。県の未来農業のフロンティア育成研修生として果樹栽培を2年学び、21年に事業を承継して新規就農した。嵩下さんは「初めての農業経営で、自然を相手にし、技術面を含めた心配は尽きなかった」と振り返る。
 事業を承継するに当たり、NOSAI職員から収入保険の説明を受けた。
「収穫量の減少だけでなく、病気やけがによる減収にも対応するなど補償内容が幅広い」と制度に理解を示す。
 前経営者の過去実績を引き継ぐことができ、経営実態に即した補償が得られることも加入の決め手になったという。
 昨年のオウトウは、開花期間中に降雪などの天候不良に見舞われ、訪花昆虫の減少もあり深刻な結実不足になった。また、収穫期前の降雨で裂果が多発するなど記録的な不作に陥った。
 保険金等を受け取るまでの間につなぎ融資を受け、早期に来年へ向けた運転資金を確保。申告後はつなぎ資金以上の保険金等を受け取ることができた。「保険金等を受け取るだけでなく、確定申告へのアドバイスや経営相談などのサポートを受けることができた。日々の生活に安心感を得られた」と話す。
 今後は、高齢者や障害者の人たちが就労や生きがいづくりの場を生み出せるよう農福連携にも力を入れる考えだ。「福祉施設の利用者から収穫体験をしてもらっている。農福連携にアイデアを加えて笑顔あふれる農業を経営したい。収入保険に継続加入して、これからも前向きに農業に取り組んでいく」と意欲を見せる。
次号をお楽しみに!