東北版8月2週号
良質な牛肉地元の人たちへ 美郷町で肥育 - ㈱斉藤牧場
【秋田支局】牛の飼養管理に取り組む美郷町千畑地区の株式会社斉藤牧場(斉藤雅季代表=46歳)では、牛の飼養だけでなく、自宅敷地内に牛肉の加工施設や直売所を設置し、精肉や加工品の販売にも取り組んでいる。
精肉販売を始めたきっかけは2001年に発生した牛海綿状脳症(BSE)の影響で牛枝肉価格が極端に下落してしまったこと。「これほど取引価格が安くなるのなら、地元の人に食べてもらいたい」と前代表の父・実さん(75)が肉の加工を同年に始めた。
斎藤代表はその当時、関東で枝肉の卸売りや加工していたが、弟の貴史専務(39)が08年に就農したタイミングで地元に戻り、経営
規模を拡大した。父の思いを引き継ぎ、精肉と加工品の販売を続けている。
現在は、牛舎4棟で350頭ほどを飼養。家族や社員、パートなど7人で飼養や加工品の生産に取り組む。牛テール煮込みをはじめ、ホルモンの煮込み、ホホ肉の角煮などの加工品を製造。そのほか、道の駅美郷で販売するカレーなどの材料に牛肉を卸している。
斉藤代表は「近年の輸入飼料や牧草の値上がりで、畜産を取り巻く情勢は非常に厳しいが、できる限りのコスト削減や作業の効率化を図り、今後も良質な牛を育てていきたい」と意気込む。
次号をお楽しみに!