2019年4月3週号
楽しいと思える農業を - 戸嶋めぐみさん
【鹿角市】鹿角市花輪の戸嶋めぐみさん(40)は、昨年就農し、ブルーベリーなどを栽培。義母が営むリンゴ農園で栽培されたリンゴを使用したアイスも販売するなど、加工品にも力を入れている。
鹿児島生まれ東京育ちの戸嶋さん。結婚を機に鹿角市に移り住んだ。「知り合いがいなかったから寂しい思いが多かった」と振り返る。そんな中、2013年春に義母が営む「としま農園」で作業の手伝いを始めた。
「手伝いをするうちに、リンゴの生育を見るのが楽しくなった」と話す。「収穫したリンゴを喜んで買っていくお客さまを見て、うれしい気持ちと同時に、自分で栽培したものを売ってみたいと思うようになった」と就農に向けて動き始めた。
16年4月から、県の「未来農業のフロンティア育成研修」を受講。試験場や地元農家での研修を経て、昨年就農した。農園の手伝いをしながら、自身はブルーベリーやラズベリーを40㌃栽培していく段階だ。「実際に現場で作業すると、理想通りにはいかない」と苦心する。ブルーベリーの栽培農家が少なく、技術習得のため岩手県に足を運ぶこともあるという。
リンゴを1年通して楽しんでもらいたいという思いから、加工品にも力を入れる。17年11月から「あきた女性農業者“起業ビジネス塾”」を受講し、その中で開発した「甘酒とりんごのアイス」を今年2月から販売。農園で栽培する秋田オリジナル品種「千秋」と秋田県産「あきたこまち」の米麹、「淡雪こまち」の発芽玄米を使用する。
卵や牛乳、乳製品を使用していないことが特徴。「アレルギーがある人も食べられる商品を作りたかった」と話す。リンゴは角切りとすりおろし状にして、甘酒と同じ割合(25%)にする。リンゴの食感と優しい甘さを味合うことができ、「美容と健康にもよく、贅沢なアイスですよ」とほほ笑む。
研修先だった平野亮一さん(83)は「研修時は何事に対しても一生懸命だった。これから地道に一歩ずつ技術を習得し、頑張ってほしい」と話す。
これから栽培を軌道に乗せるのはもちろんだが、「若い人が農業をやりたいと思える農業を目指したい」と話し、加工品についても「リンゴだけでなく、ブルーベリーなどシリーズ化した商品を開発してみたい」と意欲的だ。
次号をお楽しみに!