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2019年8月1週号 伝統野菜を守る③
餅田の里芋 - 石川久晴さん、のり子さん
 【大館市】大館市餅田の石川久晴さん(67)、のり子さん(66)夫妻は、水稲1・4㌶を栽培しながら、サトイモ10㌃、露地野菜10㌃を手掛ける。
 「昔の地名は『芋堀沢』と言って、大館桂高校が建つまでは敷地内一面がサトイモ畑だった」と久晴さん。同市餅田で栽培される、通称「餅田の里芋」は、集落の人たちの記憶で100年以上昔から作られているという。現在は4戸で合計3㌶ほど栽培している。
 夫妻の栽培品種は「土垂」と「石川早生」。どちらも一般的な品種だが、餅田の土壌が水分を多く含んでいるため、他の場所で作るよりも粘り気が強く、やわらかいサトイモになる。
 春先の畑作りに始まり、5月初旬に芋のまま直植えする。土寄せと追肥を6月と7月の中旬に2回ほど行い、状況を見て芽かきを3回ほどする。連作を避けて毎年植える場所を変えているため、病害虫の心配はほとんどないという。
 収穫作業は9月から行い、市内の産直施設に並ぶほか、市場を通じて出荷する。久晴さんは「収穫と出荷作業に一番手間がかかる」と話す。手で掘って収穫し、根を切って洗い、親芋と子芋と孫芋をはずす。そこから手作業で1つ1つ皮をむき、パック状態にしている。
 おすすめの食べ方は煮っころがしや田楽のほか、きりたんぽ鍋に入れる人もいるという。「でも、一番のおいしい食べ方はみんなで、秋に鍋を囲んで芋煮会で食べるのが最高だね」と笑顔で話す。
次号をお楽しみに!