2019年8月1週号 伝統の野菜を守る④
伝統野菜を中心に提供 - 小料理店「隠家 あわい」
【秋田市】「旬の地元のものを使い、シンプルで優しい味わいを届けたい」と話すのは、秋田市で小料理店「隠家 あわい」を営む冨岡誠さん(40)。開店当初から伝統野菜や旬の食材を中心とした料理を提供している。
伝統野菜の仕入れは、県内の数少ない生産者と直接取引があり、信頼を置いているという市内の青果店から。冨岡さんは「あきた郷土作物研究会」の会員としてもセミナーに参加するなど日々知識を高め、料理を通じて魅力の発信に努める。
最も多くの伝統野菜が出回るという11月には、「あきた伝統野菜まちめぐり実行委員会」が主催するキャンペーンに参加する同店。期間中は「横沢まがりネギ」「石橋ごぼう」など、およそ10品目の伝統野菜料理を味わうことができる。
料理のほか、器にも気を配り、「大館曲げわっぱ」や「川連漆器」など、できる限り県内の伝統工芸品に盛り付けている。「野菜も器も手仕事で作られたもの。どちらも地域の文化に根付き、歴史的につながりがあるものが多い。伝統工芸品に野菜を盛り付けることで、秋田の魅力を高めることができる」と力を込める。
「食材は過度な味付けをしなくてもおいしく食べられる。あわいの料理が地元の食材に興味を持ってもらうきっかけになればうれしい」と冨岡さん。今後は「自分で育てた野菜を料理として提供するようなシステムを作っていきたい」と話す。
▽秋田市高陽幸町5‐15、℡018・823・3251
次号をお楽しみに!