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2018年4月3週号
地域住民が自らスーパーを運営 - お互いさまスーパー「みせっこあさみない」
 【五城目町】地元商店の閉店と路線バスの廃止により、高齢者の買い物が不便になった農村で、地域住民が自ら運営するスーパーがある。その店は五城目町内川の「お互いさまスーパー『みせっこあさみない』」。住民同士が顔を合わせ交流ができる新たな場として、地域活性化の一翼を担っている。

 五城目町内川の浅見内地区は、高齢化が進む農村地帯。町によると、同地区の高齢化率は60・5%と高水準となっている。高齢化と人口減少により、以前あった個人商店6つがすべて閉店。2013年には町の中心部へつながる路線バスが廃止となり、高齢者が気軽に買い物できない状況が続いていた。

 そうした高齢者の買い物を支援するため、地域住民が「浅見内活性化委員会(渡邊律雄会長=60歳、会員23人)」を組織。県の「お互いさまスーパー創設事業」を活用し、住民との意見交換や意向調査を経て、16年に「みせっこあさみない」をオープンした。
 店では60~70代のスタッフ16人が、有償ボランティアとして店内での販売や調理、商品の発注やスーパーからの仕入れなどを行う。商品の仕入れや販売、陳列のノウハウは、地元スーパーと支援協定を結び協力を得ている。

 児童館を改修してできた広さ80㎡の店内では、食品や日用品、地場産の野菜などを販売。また、軽い食事ができるスペースがあり、昼時には地元客を中心ににぎわいを見せる。
 ほぼ毎日来店するという70代の女性は、「路線バスが無くなり、買い物が不便だった。ここは私たち高齢者にはとても助かる場所。友人らと食事をしながらお話しするのが楽しい」と話す。

 店長を務める松橋勇子さん(66)は、「お客さまの笑顔を見るとうれしくなる。これから3年目となるが、地域のニーズを探りつつ、地元住民にとってなくてはならないお店にしていきたい」と意気込む。
 渡邊会長は、「開店してから2年が経過したが、おかげさまで今のところは黒字で推移している。これから5年、10年と継続できるよう努力したい。また、この取組み以外にも、地元の高齢者が元気になれる場をつくりたい」と今後の活動にも意欲を見せる。

  ▽営業時間=午前10時~午後4時▽休業日=土、日曜日
次号をお楽しみに!