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2020年6月3週号
田植機改造動力散布機と作業座席を設置 - 於園共同農場
 水稲52㌶を栽培する、大仙市の於園(おその)共同農場(佐藤秋弘会長=67歳、構成員13人)。使わなくなった田植機を乗用散布機に改造し、湛水(たんすい)直播で「ゆみあずさ」を作付けする。

 この散布機は、田植機の植え付け部を取り外し、その部分に動力散布機と作業者用の座席を取り付けた2人乗りのもの。運転者と作業者が背中合わせで乗って使用する。作業部が昇降するので、作業者の乗り降り
が楽だという。

 茂木久志副会長(54)は、「この乗用散布機は農場では二十数年もの間、防除や追肥に活躍している名物農機具。2代目の現機はディーゼルで、作業速度も大幅に向上している」と話す。今年はゆみあずさの栽培面積を増やし約6㌶直播したが、移動も含め3時間ほどで作業を終了した。
 同農場では小型無人機(ドローン)も所有しているが、乗用散布機に比べて散布幅が狭く搭載量も少ないので、直播作業ではかなわないという。また、べんがらモリブデンで被覆した種もみは軽く流れやすいた
め覆土が必須だが、同農場では省略している。散布機の作業部をリフトさせて高い位置から作業するので、ノズルをやや下向きにして打ち込めばもみが落ち着き、覆土が不要になる。
 「ゆみあずさは苗立ちが早く初期生育が良いことから、この乗用散布機との相性が良い」と茂木副会長。丁寧に播種できなかった場合や、田面の均平が少々甘い場合でもムラにならずに出芽する。作業にそれほど
神経をとがらせる必要がないという。
 追肥にもこの乗用散布機が活躍する。「作業後の圃場には稲を踏み付けたタイヤ痕がくっきりと残り、目を覆いたくなる光景となるが、収穫期には気にならなくなり、収量に影響しない」と話す。
 同農場では離農により増える受託面積に応えられるよう、一層の農作業の効率化に力を注ぐ。乗用散布機の活用とゆみあずさの栽培もその一環だという。「『必要な収量をいかに省力化して確保するか』を常に考えている」と意欲を見せる。
次号をお楽しみに!