2018年6月2週号
リーフレタス 農薬不使用で水耕栽培 - 篭谷大介さん
【横手市】「農業を志す若い人に、目標とされるような農家になりたい」と話す、横手市増田町亀田の「大ちゃんファーム~Salada Garden~」代表・篭谷(こもりや)大介さん(33)。就農5年目を迎え、母の優子さん(65)と共に農薬を使わないリーフレタスの水耕栽培に取り組んでいる。
もともと実家がリンゴ農家だったという篭谷さん。地元企業に就職していたが、父を早くに亡くしたことがきっかけで就農を考えた。「残されたリンゴ畑をどうするか1年間考え、思い切って就農を決意した」と振り返る。
就農1年目はリンゴのみを栽培していたが、夏場の収入になればと考え、水耕栽培にも着手。今年からは水耕栽培のみに切り替え、ハウス2棟100坪でリーフレタス2280株を通年栽培する。
種まきから苗作りまでは自宅の一室で行い、その後ハウスへ植え替える。地下水と2種類の肥料を混ぜた栽培溶液をプランターに循環させ、そこに根を浮かべて栽培する。
収穫は葉を一枚ずつ切り取って行う。「新しい葉が3日ほどで出てくるので、茎から株ごと取るよりも収量が多くなる」と利点を説明する。種まきから収穫まで約5週間、年4~5回転のペースで一年間に約1・5㌧を生産するという。
「夏に栽培溶液が高温になり根腐れを起こしたり、冬に葉を凍、など需要期の収量確保が難しい。その時期にいかに安定して生産できるかが課題」と研究熱心だ。
主な栽培品種はグリーンリーフレタスやサニーレタス、ハンサムグリーン、サンチュなど。収穫後はスーパーや飲食店20カ所へ出荷する。「飲食店からは、無農薬で土も付着しないため、楽に洗える点が評価されている」と話す。
篭谷さんは、「来年ハウスを一棟増設する予定で、150坪3000株への規模拡大が目標。安定供給と販路の拡大にも取り組みたい」と意気込む。
次号をお楽しみに!