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2020年9月1週号 ネット販売で勝機を①
あきたこまち 消費者の声励みに - 北林正志さん、智之さん

 大館市田代地区で主食用米「あきたこまち」5・5㌶と飼料用米「めんこいな」4・3㌶を栽培する北林正志さん(68)、智之さん(40)親子。系統出荷のほか、ネット販売に取り組む。
 北林家は元々、夏場に米を貯蔵する大きな蔵を所有し、個人販売を行っていた。5年前、「さらに多くの人においしいお米を食べてほしい」との思いから、HPを開設して販売を開始した。
 年間約3㌶分を売り、新規の利用客のほか、毎月購入する固定客も付いている。送り先は、遠方だと山口県にまで及ぶ。「ネット販売の良いところは、お客さまの生の声を聞けること。いつも励みになっている」と智之さん。購入者から「お米を食べられなかった子供が、北林家のお米だったら『おいしい』と言って食べるようになった」と言われたこともあるという。
 一方、一度離れた利用客は二度と戻ってこないという厳しさもある。「信用と信頼が何より大事な世界だし、たくさんの人に味わってほしいから手頃な値段設定にしている」と話し、あきたこまちは玄米で30㌔を7700円(送料別)から販売する。
 また、販売と並行してブログを更新する。販売する米の作業工程から、北林家の日常まで公開。「さまざまな話題を日々更新しているので、こちらもぜひ見てほしい」と話す。
 元々農業が好きだったという智之さんは、大学卒業後、製材所に勤めながら農作業に励む。草刈りや防除など普段の管理は正志さんと2人で行い、田植えや稲刈りは家族総出で作業する。
 北林家が心掛けているのは、手間暇を惜しまないこと。農薬の使用を極力少なくし、追肥は食味が落ちるため行わない。色彩選別は業者に依頼しているという。
 「肥培管理が行き届かなくなるので面積は増やせないが、これからも変わらず安全・安心な良いお米を作って、たくさんのお客さまに届けたい」と意気込む。

 ▽URL=https://kitabayashike.com/
次号をお楽しみに!