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2021年8月1週号
先輩たちを目標にキュウリ専作 - 石田慎一郎さん
 大館市雪沢地区でキュウリを栽培する石田慎一郎さん(31)。地域の担い手として活躍が見込まれる新規就農者などを表彰する「ふるさと秋田農林水産大賞」担い手部門・未来を切り拓く新規就農の部の2020 年度大賞受賞者だ。担い手として地域を引っ張る。

 キュウリをハウス4棟8㌃、露地10㌃で栽培する石田さん。本年作では、ハウスは5月上旬、露地は6月上旬に定植した。
 現在、収穫の最盛期を迎え、午前4時から収穫に汗を流す。収穫後は株や畑の管理作業を行い、午前11時まで前日に収穫したものをJAに出荷する。休憩を挟んだ後、午後4時から収穫を再開。午後7時からは自宅隣の作業場で選別作業に取り組む。
 「収穫が始まれば、時間に追われて待ったなしだが、10月に露地の収穫が終われば、ゆっくり眠れる時がなんともいえない瞬間だ」と笑顔を見せる。
 小まめに畑を観察して、病害虫の適期防除に努める石田さん。「防除暦に合わせて予防散布をしているが、畑の条件によって発生する病気が違う。前年の作業日誌と天候を確認して作業している」と話す。
 生育を促進するために重要な作業が「葉とり」だ。株に光を当て、風通しを良くするために欠かせないという。長期取りを実現するため、実が小さいうちに傷があったり、変形したりしたものを摘果し、株の負担を減らすことも心掛けている。石田さんは「自分と同じくらいの面積で20㌧収穫する先輩がいる。先輩を目標に昨年の収穫量12・2㌧を上回ることを目指している」と話す。
 東京農業大学の北海道オホーツクキャンパスで作物栽培を学び卒業後、地元秋田で就職。5年前に果樹栽培をしていた母方の祖父が高齢で離農するため、後継ぎとして就農した。
 就農1年目は、近隣農家を手本に果樹とキュウリに挑戦したが、「年に1回収穫の果樹より、毎日収穫して結果が分かりやすいキュウリが、自分の性格に合っていると感じた」と石田さん。18年にキュウリに専念し、面積を徐々に増やしてきた。
 JAあきた北きゅうり部会に所属し、部会員同士の技術情報の交換を欠かさない。櫻庭隆之副部会長(37)は「就農してから力を年々付けてきている。勉強熱心で努力家」と話す。
 石田さんは「管理をしっかりして長く収穫するようにしたい。販売単価が良いときも悪いときもトータルで収入を確保していきたい」と前を向く。
次号をお楽しみに!