大仙市払田の水田でこのほど、小型無人機(ドローン)を使用した水稲直播の実演会が行われた。農薬散布など農業分野での需要が拡大しているドローンを活用することで、育苗と田植えの省略が期待されている。
実演会は、秋田県立大学と大仙市が連携した「秋田版スマート農業モデル創出事業」の取り組みとして開かれた。同大学アグリイノベーション教育センターの西村洋センター長が「この事業は最新のスマート農業技術の導入で、後継者不足など農業に関する課題の解決を目指す取り組み。今回は数ある研究の中の一つとして実演を行う」と話し、関係者など約20人が見学した。
今回はDJIのドローン「MG ― 1」を使用し、高さ2㍍、散布幅4㍍に設定。時速15㌔で圃場の上を3往復し、種子の補充時間を含めて70分ほどで1㌶の作業が終了した。通常、機械による地上での直播では2時間半ほどかかるため、半分以下の時間となった。
ドローンによる直播は種子が土に沈みにくく、鳥害や稲の倒伏が危ぶまれる。今回は耐倒伏性に優れているという「ゆみあずさ」を播種した。
さらに、種子に「べんがらモリブデンコーティング」を被覆。主成分のべんがら(酸化鉄)が重さを増し、モリブデンが土壌の有害な硫化物イオン生成を抑制する。土壌を軟らかくし、被覆により種子を加重させたことで沈みやすくなるという。