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2022年6月2週号
不可避なリスクも対象で安心 - 金子誠さん
 水稲10㌶を栽培する三種町大口の金子誠さん(57)は、2021年に収入保険に加入。「減収だけでなく、価格が低下した場合、病気やけがなどで収穫ができない場合も補てんの対象となるなど、とても充実している保険だ」と話す。
 以前は水稲共済に加入していた金子さん。19年までは半相殺方式8割補償を選択していたが、より高い補償割合を検討し、20年産は全相殺方式9割補償に切り替えていた。
 そんな中、NOSAI職員から収入保険の説明を受け、移行を決めた。元々青色申告をしていたため、過去5年分の青色申告書類を見て基準収入金額を設定することに魅力を感じたという。「補償限度が高く、カバーできるリスクの幅が水稲共済よりも広いことが加入の決め手となった」と話す。
 収入保険への移行前は収量減を水稲共済、価格の低下を収入減少影響緩和対策(ナラシ対策)に加入。金子さんは「収入保険は収量減と価格低下のどちらも補償の対象となる。複数の制度に加入していると管理が複雑だったが、一つにまとめられて管理しやすくなった」と利点を挙げる。
 昨年は米の価格が大幅に下がり、収入が減少したため、つなぎ融資を受けることになったという。「無利子で資金を受け取ることができて助かった。加入1年目で保険金支払いの対象となったが、請求から支払いまでがスムーズで良かった」と振り返る。
 収入保険は悉皆調査や抜取調査などの損害評価を行わない。「水稲共済では被害申告をした後に損害評価が始まるため、評価が終わるまで稲刈りができなかった。収入保険はその手間が無くなったので、損害評価を待たずに自分のタイミングで刈り取りができた」と話す。
 数年前、稲の被害を見た目で確認できずに収穫し、収量が少なかったという苦い経験を持つ。水稲共済では刈り取り後の被害申告は補償の対象とならないが、収入保険では書類のデータで確認するため、収入が減少していれば保険金支払いの対象となる。
 「圃場管理や病害虫防除は適切に行っているが、価格低下や天候不順による減収は、どうすることもできない。収入保険のありがたみを感じる」と金子さん。今後は現状を維持しつつ、質の高い米作りに取り組みたいとしている。
次号をお楽しみに!