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2022年7月2週号
ラズベリーを特産品へ - 伊藤祐子さん
 能代市二ツ井町荷上場の伊藤祐子さん(58)は、2018年からラズベリー栽培に取り組んでいる。元々関東地方に住んでいたが、夫の一美さん(70)の実家がある二ツ井町に移住後、就農した。
 祐子さんは現在、能代ラズベリー研究会(会員14人)の役員を務めている。15年に前身の能代キイチゴ研究会が発足。ラズベリーを市の特産品にすることが目的だ。市と県立大学の共同研究で、ラズベリー栽培の普及拡大を図っている。
 研究会では月1回、栽培講習会を開催し、県立大学の指導を受ける。祐子さんは当初、家庭菜園程度で栽培を始めたが、現在は規模を大幅に拡大。ビニールハウスと露地合わせて約500本を栽培し、1本から果実約1㌔が取れるという。
 栽培品種は2年生枝結実性で果実が赤くて大きい「チルコチン」と果実が黒い「ハノーバー」、1年生枝結実性の「ヘリテージ」。チルコチンやハノーバーは1年目は実が付かず、翌年6月ごろに収穫期を迎える。ヘリテージは4月から定植を始め、8月ごろに実がなり収穫が始まる。
 祐子さんは「1年生枝結実性は播種から収穫まで短いが、2年生枝結実性は収穫までが長く管理が大変」と話す。
 今の時期は果実の状態のチェックを毎日欠かさず行う。エスマルクドライフロアブルなどの薬剤を散布し、ケムシやアブラムシなどの病害虫防除をしながら収穫を待つ。「栽培を始めた当初は、肥料や薬剤散布のタイミングなど、どの場面でどのような対応をすればいいのか分からなかった」と話す。現在は作業時期を把握し、適期防除などに努めている。
 収穫したラズベリーは、道の駅ふたついで販売するチーズケーキやロールケーキに使用されているほか、秋田市や能代市の飲食店と契約を結んで提供している。さらに、近々発売予定のピンク色が特徴的なラズベリーサイダーにも使用されているという。
 今後について「女性農業者が増えて、活気があり、魅力のある農業になることを願っている。ラズベリーを市の特産品にするため収穫量を増やし、良さをアピールしていきたい」と力強く話す。
次号をお楽しみに!