エネルギーがあるうちに果樹の栽培に挑戦したいと思い、30歳の時に帰郷して就農。初期投資が少なく就農当時に価格が安定していたネギの栽培を始めた。先輩農家から技術や知識を教えてもらいながら、20年からは念願のナシとリンゴの栽培に取り組んでいる。
日々の作業では、やるべきことや園地の状態をリスト化。整理した内容を確認してから作業に取り掛かる。困ったことがあれば、果樹や野菜部会の部会員、先輩農家から助言をもらい、迅速な問題解決を心掛けている。「周りの人助けてもらいながら、失敗しても試行を重ねて前進できている」と話す。
太田さんは昨年の春先に霜とひょうの被害を受け、果樹の収量を落とした経験を持つ。「野菜と果樹の複合経営で危険分散を図っていたが、気候の影響などで予期しない病害虫や生育不良の被害に遭うことがある。災害に対する備えは重要」と説明する。今年からは収入保険に加入し、安心して営農できているという。
現在は防除作業に注力し、収穫時期を待つ。「手を掛けた分だけ収穫の喜びは大きい。消費者に喜んでもらえる作物を育てることにやりがいを感じる」と笑顔を見せる。
今後について「果樹園地を広げていき、今の倍以上の面積を作付けしたい」と張り切る。