農業共済新聞

トップ > 広報活動 > 農業共済新聞 2022年9月2週号
2022年9月2週号
ネギ一本一本丹精込め - 菅原薫さん

 「ネギを一本一本丹精込めて育てている」と話す菅原薫さん(80)。潟上市昭和野村地区でネギ25㌃(夏ネギ20㌃と秋冬ネギ5㌃)を手掛けている。妻の恭子さん(74)と二人三脚で農業に60年以上携わり、現在は「夏扇パワー」を栽培。5㌔入りの箱で年間2千箱を出荷している。
 菅原さんは高校卒業後、会社に勤めながら親の農業を手伝い始めた。これまで水稲やタバコの栽培のほか、漁業にも挑戦。病気を患ったことで一時期は農業を休んでいたが「体調が回復したら、また農業に携わろうと考えていた」と振り返る。
 営農再開に当たり、JAあきた湖東に栽培品目を相談。当時、同JAが力を入れようとしていたネギを勧められた。管内の農家5人で栽培を開始し、現在は21人まで増加。全体の年間出荷量は255㌧で、菅原さんはそのうち14㌧を出荷している。県内では能代青果地方卸売市場、県外では東京千住青果が主な販売先だ。高齢のため規模を縮小しているが、収穫時期は毎日農作業に精を出す。
 同JA農業振興課の伊藤修光課長補佐は「良質なネギを栽培する熱意があり、真面目に取り組まれている。収穫時期は朝から晩まで作業し、周囲のお手本的存在だ」と話す。
 定植は夏ネギが3月末、秋冬ネギが5月中旬。100日後に収穫を迎え、1日30~40箱の出荷を目標に作業する。1本ずつ手で抜いて収穫し、箱詰めも手作業。皮むきや箱詰めでは、体に負担をかけないよう座って作業するという。
 「水稲やタバコよりも重労働だが、中途半端な作業はしたくないという思いでやってきた」と菅原さん。恭子さんは「適当にやることが嫌いで頑張り屋。それで良いネギができることはうれしいが、毎年作業に付いていくのは大変」と笑顔で話す。
 現在は利益を上げるため、出荷時期をずらし、早取りを目指す。1日置きに水をまき、追肥を調整して生育を早める。「長年の経験を生かし、自分の土地に合った農作業を考えている」と説明する菅原さん。
 「体力の続く限りは頑張りたい。今ある面積で一本でも多くおいしいネギを作れるように努力していきたい」と意欲を見せる。
次号をお楽しみに!