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2022年10月1週号
ハパライス 乳酸菌活用で「あきたこまち」 - 株式会社鈴木又五郎商店
 湯沢市大町にある株式会社鈴木又五郎商店(鈴木達夫代表取締役)は肥料や農薬、米を扱う創業132年の老舗卸会社だ。新たな取り組みとして、乳酸菌成分が含まれた「あきたこまち」の玄米と白米を配合した「HAPA RICE(ハパライス)」を発売。栄養価の高い玄米をおいしく食べられると評判だ。

 開発した鈴木アヒナ麻由専務取締役(34)は、米国ハワイでセラピストとして働いていた経歴を持つ。ハワイでは「ハパ」は混ぜるを意味し、ハパライスが一般的に親しまれていた。鈴木専務は「健康や美容を意識して玄米を食べる人が多かった。日本では敬遠されがちだが、体に良い効果がある、おいしいものだと広めたかった」と話す。

 帰郷後にあきたこまちでハパライスを試作。「品種の特徴である、もちもちとした食感で食べやすかった」と振り返る。

 商品化に向け、関連会社の合同会社カネマタファームが4㌶で作付け。乳酸菌は催芽と育苗期、田植え後の入水時、収穫間際の4回散布する。「乳酸菌はぬかを柔らかくし、玄米特有のにおいを軽減する効果がある」と鈴木専務。加えて根張りを良くし、倒伏しにくくする効果もあるという。

 2020年に発売したレトルトパックには、コレステロールを下げる効果があるといわれる乳酸菌パウダーを添加。「1パックにヨーグルト1個分の乳酸菌が含まれている。酸味やにおいを感じることはなく、手軽に食べてもらえる」と説明する。

 レトルトパックの開発では玄米と白米の配合量のほか、乳酸菌含有量や水分量、蒸し時間を変え、55種類ほど試作。玄米と白米の割合2対3に行き着いた。「生米は水を増やし、数時間浸水してから炊飯する手間があった。レトルトにすることで、ベストな状態で食べてもらえると考えた」と開発のきっかけを話す。

 商品はネットのほか、横手市のスーパーモールラッキーや道の駅十文字で販売。スーパーモールラッキーの小原まどかさんは「玄米と白米の配合量が考えられていて食べやすい。鈴木専務は若い女性のお手本的存在で期待している」と話す。

 現在、ハパライスの玄米を使ったパンケーキミックスを販売するほか、みその販売も予定している鈴木専務。「もうかる農業のビジネスモデルをつくり、秋田の米を盛り上げていきたい」と意欲的だ。
次号をお楽しみに!