農業共済新聞

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2022年10月2週号
品質と糖度を追求 - 野呂田雅彦さん
 リンゴ栽培を始めて30年目になる三種町森岳の野呂田雅彦さん(59)は、1・3㌶で「つがる」「ふじ」「シナノスイート」など20品種を生産。妻の由美子さん(60)と共に管理している。就農前は会社員として働き、就農に当たっては義父の作業を隣で見ながら技術を身に付けた。野呂田さんは「当初は右も左も分からず苦労した」と振り返る。
 剪定作業は1月から3月にかけて行う。「現地で講習会などを何度受講しても、人の作業を見てまねしても、なかなか身に付かなかった」と話す。何度も繰り返し作業することで、剪定技術を習得していったという。
 5月には人工とミツバチの併用で授粉を行い、6月から7月は摘果作業に汗を流す。「リンゴなどの果樹を栽培する上で一番の大敵は病気」と強調する。特に雨の日が続くと病気が広がりやすいため、小まめな病害虫防除を欠かさない。
 収穫後は贈答用などの受注販売を行うほか、同町の農産物販売施設「じゅんさいの館」で販売。贈答用を買い求める人の要望を取り入れ、中生種のシナノスイートや「秋陽」の栽培を増やしているという。「気候条件を考え、早生種を減らしていきながら、中生種の数を増やしていきたい」と話す。
 近年は降霜や降ひょう、台風、獣害による収量の減少のほか、品質の低下にも悩まされてきた。昨年は収穫間近のつがるが鳥害に遭い、半分を廃棄する苦い経験を味わった。「さまざまなリスクから経営を守るため“収量の減収”から“収入の減少”に魅力を感じて、果樹共済から収入保険に切り替えた」と説明。収入保険は過去の税務申告書類から自分の基準収入が決まり、最終的な収入の減少で判断されるため、分かりやすいことを利点に挙げる。
 野呂田さんは「今後もリスクを恐れることなく、甘さと品質を追求したリンゴ栽培を続けていきたい」と話す。
次号をお楽しみに!