男鹿市脇本で白山酒造を経営する白山慶幸さん(73)。自家産「あきたこまち」を、男鹿半島の名水「滝の頭湧水」と県オリジナル麹「あめこうじ」で仕込んだ「どぶろく寒風山」を製造し、人気を呼んでいる。
同市は2011年にどぶろく特区の認定を受けている。白山さんは「地域で受け継がれてきたどぶろく造りを守りたい」との思いから、13年に「その他の醸造酒」の製造免許を取得。県醸造試験場で製造方法を学んだ。
原料のあきたこまちは、1・2㌶で慣行栽培している。滝の頭湧水は、寒風山に降った雨が約20年かけて地表に湧き出た水で、古くから飲料水や農業用水に利用されてきた。あめこうじは、県総合食品研究センターが開発。甘みが強く、すっきりとした味わいが特徴だ。
どぶろくは三段仕込みで丁寧に製造し、完成までは1カ月ほどかかる。少しずつ大きい器に入れ替えていき、最後は100㍑が入るずんどうで発酵させる。「製造で大切なのは温度管理。温度を調整して糖分を増やし、発酵を促進させている。おいしいどぶろくを造るため、細心の注意を払っている」と話す。