「原木シイタケは味や歯応え、香りが別格。本物を味わってほしい」と話す株式会社岩城町農園(由利本荘市岩城)の前川善隆代表取締役(43)。栽培と販売事業を手がけ、自社ホームページ(HP)で原木シイタケの魅力を発信している。
植菌から収穫までは2年ほど。同社では原木を伐採して調達するため、さらに歳月を要する。3月から5月にかけて原木「ほだ木」に種菌を植える。種菌が確実に活着するよう風が当たらない場所で棒積みにして管理。その後は杉林やハウスへほだ木を移動し、活着した菌糸をまん延させて収穫を迎える。
露地では品種を分けて春と秋に、ハウスでは11月に収穫が始まる。前川代表は「品種やほだ木の状態で発生時期や収穫量が変わるため、毎年同じように作業が進められない」と苦労を話す。
同社は、ソーラーシェアリングに2017年から取り組んでいる。太陽光発電をしながら、太陽光パネルの下に設置した人工ほだ場で原木シイタケを栽培する事業だ。
休耕田を発電場所として有効活用しながら日陰に適したシイタケを生産できると考え、すぐに導入したという。「杉林へ移動する手間がなくなり、平地で作業できるので効率化につながった」と話す。