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あきた版6月1週号
根腐れに加え干害も - 合同会社久保井ファーム

 ネギ5・3㌶とキャベツ2・5㌶を栽培する能代市万町の合同会社久保井ファーム(2018年設立、社員3人、パート5人)。昨年、大雨と干害で両作物に甚大な被害を受けたが、つなぎ融資を受け取って立ち直り、営農を継続している。
 収入保険には20年に加入。代表社員の久保井優司さん(48)は「加入者のネギ農家が勧めてくれた。あらゆるリスクに備えられる良い保険だと思った」と振り返る。保険料などを分納できるため、加入がしやすかったという。
 栽培するネギは「夏扇パワー」「夏扇4号」「大河の轟き」。7月から12月まで収穫を続ける。連作障害対策として、キャベツを3年ごとに輪作。収穫後は特産ブランド「白神ねぎ」「白神きゃべつ」としてJAあきた白神を通じ、首都圏の市場を中心に出荷する。
 同市では、昨年7月15日の大雨を含む4日連続の降雨で、各地に農業被害が発生。同社でもネギの圃場が1週間滞水し、広範囲で根腐れが生じた。またキャベツは、7月下旬の定植後干害に見舞われ、散水や追肥を施すも小玉のまま生育が止まった。
 平年収穫量よりネギが4割、キャベツが8割以上減少したため、11月下旬につなぎ
融資を申請。12月中旬に融資を受けた。「昨年ほどの被害は経験したことがない。資金繰りに苦しむ中、受け取った融資を人件費や資材費に充当できた。本当に救われた」と安堵する。
 普段から農家仲間との間では収入保険が話題になるという。久保井さんは自身の経験を踏まえて加入を勧め、昨年1戸が加入した。「自然災害を防ぐことはできないが、補償があれば安心して農業に取り組める。保険料などは必要経費と考え、加入してはどうかと声をかけている」と話す。
 今後はウドやアスパラガスなど冬季のハウス栽培や、カット野菜の製造・販売を検討している。久保井さんは「収入保険の支えがあるので、挑戦しようと思える。通年の雇用人数を増やし、経営規模を拡大させていきたい」と展望を話す。
次号をお楽しみに!