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あきた版8月1週号
夫が比内地鶏、妻がダリア・野菜の別経営 - 髙松司さん、玲奈さん

 大館市比内町片貝の髙松司さん(42)と妻の玲奈さん(41)は、経営を分けて協力しながら営農に汗を流す。玲奈さんはダリア7㌃やシシトウ4㌃、各種野菜20㌃を栽培。司さんは年間1万羽を出荷する比内地鶏の飼育を手がけ、夫婦それぞれが収入保険に加入する。子育てで家事に忙しい中、農作業を互いに手伝いながら高品質な農畜産物の生産を目指す。
 就農して16年になる玲奈さんは、実家で両親と共に水稲とデルフィニウムの栽培を手がけていた。就農後、程なくして父の勧めもあり、知人の若手農業者とダリアに挑戦し始めた。
 ハウス内で水稲の育苗期間が終了してから定植。8月上旬から中
旬の出荷開始を目指す。現在は10品種ほどを作付け。玲奈さんは「中でも『NAMAHAGE REIWA』が一押し」と話す。摘芯作業と除草を丁寧に進めている。
 JAあきた北販売営農部の中田知花さんは「玲奈さんは若い女性ならではの感性が素晴らしい。交流サイト(SNS)を駆使し、市場のニーズを敏感にキャッチして、品種の選定を進めているようだ」と話す。
 司さんは、7年前に会社員から転身。比内地鶏の飼育に取り組む。玲奈さんの実家の所有地内にあるハウスで飼育し、午前中の給餌と夜の出荷が主な作業だ。
 水稲の収穫時期には両親の手伝いで忙しくなるため、合間の夏に取り組める品目を作付けしたいと考えていた玲奈さん。シシトウやオクラに取り組み始め、シシトウは涼しい午前4時ころから収穫する。玲奈さんが子供たちを学校に送り出すなど家事で忙しいため、司さんが収穫を行う。
 インターネット上の動画なども活用し、作業の仕方や工夫を見て研究中だ。乾燥やへたりを防ぐよう、ビニール袋を片手に素早く収穫。自宅へ持ち帰り、出荷に向けパック詰め作業を行う。オクラは定植を遅くしたため、今月の収穫を予定する。
 2人はそれぞれで青色申告を行い、2023年から個別で収入保険に加入している。「加入前、ダリアと比内地鶏は新型コロナウイルスの影響を受け、収入が大きく減少し、大変な
時期もあった」と振り返る。昨年は高温と虫害でダリアが思うように出荷できず、売り上げが例年の20%ほどまで落ち込んだ。収入保険の保険金を受け取り、とても助かったという。
 「気候の影響を受けやすく、収入面が不安定なことや、早朝の作業などで体力的に大変なこともあるが、楽しんで農業を続けている」と話す2人。「会社勤めと違い、子供たちとの時間を自由に取れることも魅力の一つ。これからも家族で協力して高品質の作物と地鶏を生産し続けたい」と前向きだ。
次号をお楽しみに!